
背泳ぎで鼻に水が入る悩みを完全克服!痛くない呼吸法と練習のコツを徹底解説

「背泳ぎに挑戦したいけれど、どうしても鼻に水が入ってツーンとするのが耐えられない……」と悩んでいませんか?
あの独特の痛みは一度経験するとトラウマになりやすく、背泳ぎそのものに苦手意識を持ってしまう大きな原因となります。
実は、背泳ぎで鼻に水が入るのには明確な物理的理由があり、根性や慣れだけで解決するものではありません。
鼻に水が入らないようにするためには、呼吸のタイミングと「鼻腔内の圧力」をコントロールする技術が不可欠です。
トップスイマーたちが水中でどれだけ激しく動いても平気なのは、無意識にこの圧力を操る「魔法の呼吸法」を身につけているからです。
この記事では、水泳指導の現場で培った知見をもとに、初心者でも今日から実践できる解決策を網羅しました。
- 鼻に水が入る物理的なメカニズムの理解
- 鼻腔内に水を通さない「ハミング呼吸法」のコツ
- 顎の角度ひとつで変わる「鼻のガード」の作り方
- 恐怖心を払拭するための段階的な水慣れドリル
- ターンや潜行時でも痛くならない応用テクニック
結論からお伝えすると、背泳ぎで鼻に水が入る悩みは「鼻から細く長く息を出し続ける技術」さえ習得すれば100%解決可能です。
もう、鼻の奥がツーンとする痛みに怯えながら泳ぐ必要はありません。
この記事を読み終える頃には、あなたは水面を仰ぎながらリラックスして滑るように泳ぐ楽しさを手に入れているはずです。
なぜ背泳ぎで鼻に水が入るのか?原因と物理的なメカニズム
背泳ぎを練習していて鼻に水が入るのは、あなたの運動神経が悪いからでも、鼻の形が特殊だからでもありません。
水中で鼻の穴がどのような向きになり、そこにどのような圧力がかかっているかという物理現象を理解していないだけです。
まずは、なぜ「鼻に水が入る」という事象が起こるのか、その根本的な原因を解剖していきましょう。
人間の鼻の構造と重力の関係
陸上で生活している私たちは、鼻の穴が下を向いているため、雨が降っても鼻に水が入ることはまずありません。
しかし、背泳ぎで仰向けになった瞬間、鼻の穴は「空(上)」を向くことになります。
この状態は、物理的に見れば「水の侵入を最も許しやすい姿勢」であると言わざるを得ません。
水泳中に顔が水面に近くなると、波や飛沫が鼻の入り口に溜まります。
このとき、鼻腔内の空気圧が外の水圧よりも低いと、水は一気に奥へと流れ込んでしまいます。
特に仰向けの状態では重力も味方をして、水が鼻の奥にある「咽頭(いんとう)」へとストレートに落ちていくのです。
かつて私が指導した生徒さんも、「顔を水面に出しているつもりなのに、気づくと鼻が痛い」と嘆いていました。
原因は、水面ギリギリで鼻の穴が完全に上を向いたまま、息を止めてしまっていたことにありました。
鼻腔を空っぽの「単なる筒」にしてしまわないことが、防衛の第一歩となります。
注意ポイント:鼻の奥に水が入ると、脳に近い神経が刺激されて強い痛みを感じます。これがパニックを引き起こし、溺れの原因になることもあるため、メカニズムの理解は安全面でも非常に重要です。
| 状態 | 鼻の向き | 浸水のしやすさ | 対策の基本 |
|---|---|---|---|
| クロール(伏し浮き) | 真下 | 低い | 鼻から軽く吐く |
| 背泳ぎ(仰向け) | 真上 | 非常に高い | 鼻から「出し続ける」 |
初心者が陥る「無意識の鼻呼吸」の罠
水中で鼻が痛くなる最大の原因の一つは、陸上と同じように「鼻で息を吸おうとする」あるいは「鼻で息を止める」癖にあります。
初心者の多くは、水面で口から息を吸った直後、反射的に鼻をすすってしまうことがあります。
これは意識的な動作ではなく、陸上での呼吸習慣が水中でも出てしまっている状態です。
鼻から少しでも空気を吸い込もうとすれば、外にある水も一緒に引き込んでしまうのは当然の結果です。
また、「水を入れまい」として鼻を強く閉じようと息を止めるのも、実は逆効果になるケースが多いのです。
息を止めると鼻腔内の圧力が一定になり、少しの姿勢の変化や波の衝撃で、水が内部に侵入する隙を与えてしまいます。
ある男性スイマーの方は、必死に口だけで呼吸しようとしていましたが、泳ぎが激しくなるにつれて鼻がピクピクと動いていました。
本人は無意識でしたが、酸素を求めて鼻からも空気を吸おうとしていたのです。
「水中では鼻は吐く専用の出口である」という意識の切り替えができていないことが、浸水のトリガーとなります。
- 鼻から空気を吸う習慣が残っていないか確認する
- 「鼻を止める」のではなく「鼻から圧を出す」意識を持つ
- 口から吸い、鼻から出すというサイクルを徹底する
姿勢(ストリームライン)の崩れが招く浸水
背泳ぎのフォームが不安定だと、鼻に水が入る確率は劇的に跳ね上がります。
特に影響が大きいのが「顎(あご)の角度」です。
顎が上がりすぎて後頭部が深く沈むと、鼻の穴はより垂直に近い形で上を向き、水の入り口を広げてしまいます。
逆に、顎を引きすぎて体が沈んでしまうと、顔全体が波を被りやすくなり、やはり鼻に水が入ります。
理想的なのは、「おへそ」を軽く見る程度に顎を引き、耳が水に浸かる程度の水深を維持することです。
この絶妙なバランスが崩れると、呼吸の技術だけではカバーしきれない浸水が発生します。
私自身、長距離を泳いで疲れてくると、どうしても腰が沈んで顎が上がってしまうことがありました。
その途端、それまで平気だったのに鼻に水が入り始め、リズムが崩れるのを何度も経験しています。
鼻のトラブルは、呼吸法だけでなく「姿勢の乱れのサイン」でもあると捉えるべきです。
- 水面に仰向けになり、耳までしっかり水に浸ける。
- 視線は真上より少し足側(斜め前)に向け、顎を軽く引く。
- 胸を張り、お腹を浮かせるイメージで水平な姿勢をキープする。
鼻に水が入らない「魔法の呼吸法」:ハミングとタイミングの極意
物理的な原因がわかったところで、次は具体的な解決策となる「呼吸法」について深掘りしましょう。
背泳ぎで鼻に水が入らないようにするための核心は、鼻腔内の空気圧を外圧よりも常に高く保つことにあります。
これを実現するための最も効率的で簡単な方法が、これから解説する「ハミング呼吸法」です。
「んー」と出すハミング呼吸の原理
ハミング呼吸法とは、口を閉じたまま鼻から「んー」と声を出すように息を吐き続けるテクニックです。
なぜこれが効果的なのかというと、ハミングをすることで鼻の奥から外に向かって一定の空気の層を作り出せるからです。
この空気の「流れ」がある限り、水は逆流して鼻の奥に入ることはできません。
重要なのは、強く吐き出すことではなく「細く、長く、一定に」吐き続けることです。
一気に吐いてしまうと、すぐに肺の空気がなくなり、次に息を吸う瞬間に鼻腔内が真空状態(陰圧)になってしまいます。
この「吐き終わりから吸い始めの空白の時間」こそが、最も水が入りやすい魔の時間帯なのです。
私のレッスンでは、まず陸上で「んー」と10秒以上ハミングする練習から始めてもらいます。
鼻から空気が出ている感覚を指先で確認しながら行うと、水中でもその再現性が高まります。
最重要の一文は 「鼻から常に微量の空気を押し出し続け、鼻腔の門番をさせること」 です。
ハミング呼吸のメリット:
・鼻腔内の圧力が安定し、不意の波にも強くなる。
・一定のリズムで吐くことで、全身の余計な力が抜ける。
・「鼻から吸ってしまう」というミスを物理的に防げる。
エントリー(入水)と呼吸の完全同期
背泳ぎでは、腕が耳の横を通って水に入る「エントリー」の瞬間に、最も大きな飛沫が顔にかかります。
このタイミングで鼻に水が入る人が多いため、呼吸とストロークを同期させることが不可欠です。
基本のリズムは、「腕が水に入る瞬間に、鼻から少し強めに息を吐く」というものです。
多くの初心者は、腕を回すことに必死で、呼吸が止まってしまいがちです。
しかし、腕の動きに合わせて鼻から「プッ」と短く鋭く、あるいは「んー」と継続的に吐くことで、飛沫を跳ね返すことができます。
右腕が入るとき、左腕が入るとき、それぞれのタイミングに合わせて鼻の空気圧を最大化させましょう。
実際に私の指導を受けた方は、「腕を回すリズムと鼻から吐くリズムを合わせたら、急に鼻が痛くなくなった」と驚いていました。
それまではバラバラだった動作が、呼吸という軸によって一つにまとまった結果です。
呼吸は泳ぎの一部であり、防御膜でもあるという意識を持つことが、安定した背泳ぎへの近道です。
- 右腕が頭の後ろで入水する直前に、鼻から「んー」と吐き始める。
- 腕が水をかいている間も、細く吐き続ける。
- 腕が水面から戻ってくる(リカバリー)の瞬間に、口でパッと素早く吸う。
苦しくならないための二酸化炭素排出術
鼻から息を出し続けると、「すぐに苦しくなって長く泳げない」という壁にぶつかることがあります。
これは、鼻から吐く量が多すぎるか、逆に肺の中に二酸化炭素が溜まったまま新しい酸素を取り込めていないことが原因です。
背泳ぎの呼吸を楽にするためには、「鼻で守り、口でしっかり入れ替える」という役割分担を明確にする必要があります。
鼻からの吐気はあくまで「浸水防止」のための最小限の量に留めましょう。
そして、水面に顔が出ているリカバリーの瞬間に、口から「パッ」と短く息を吐き出し、その反動で肺いっぱいに吸い込みます。
このとき、鼻からは決して吸わず、口だけで一気に酸素を取り込むのがコツです。
ベテランのスイマーは、水中で鼻から細く出し続け、水面に出た瞬間に口から残りの空気を一気に「吐き切ってから吸う」という動作を無意識に行っています。
「吐き切る」動作がないと、新しい空気は入ってきません。
苦しさを感じたら、もっと吸おうとするのではなく、もっとしっかり「口で吐き出す」ことを意識してください。
- 鼻からの吐気は「ろうそくの火を消さない程度」の弱さでOK
- 口での呼吸は「パッ、スー」という勢いのあるリズムで行う
- 苦しいときこそ、鼻から出し続けることを止めない(止めた瞬間に水が入る)
【段階別】鼻への浸入を防ぐための実践ドリル5選
頭で理解できても、いざ泳ぎ出すと呼吸のリズムが崩れてしまうものです。
そこで、鼻に水が入らない感覚を体に染み込ませるための、段階的なトレーニングドリルをご紹介します。
無理に泳ごうとせず、まずはこれらの練習で「鼻の安心感」を構築していきましょう。
水面ギリギリでの「鼻出し」浮き身練習
まずは、動かずに水面に浮いた状態で、鼻の感覚を研ぎ澄ませる練習から始めます。
プールサイドを掴んだ状態でも、誰かに支えてもらっても構いません。
「顔に水がかかっても鼻に水が入らない」という成功体験を積むことが、このドリルの目的です。
仰向けに浮き、耳を水に浸けます。このとき、鼻の穴が空を向いていることを意識してください。
そのまま、鼻から「んー」とハミングを続けながら、自分の指で水面を叩き、鼻の周りに飛沫を飛ばしてみましょう。
呼吸が止まっていなければ、多少の水がかかっても鼻の奥まで浸水しないことが実感できるはずです。
かつて水への恐怖心が強かったある女性は、この「ただ浮いてハミングするだけ」の練習を5分間続けただけで、背泳ぎへの抵抗が劇的に減りました。
「出していれば入らない」という物理的な信頼を自分の中に築くことが大切です。
最重要の一文は 「静止した状態で鼻腔圧のバリアを維持する感覚を掴むこと」 です。
- 顎が上がりすぎていないか(おへそが見えるか)
- 鼻から出ている泡が、一定の大きさで続いているか
- 水しぶきを浴びても、鼻の奥がツーンとしないか
鼻から泡を出し続ける「ブクブク」キック
浮き身の次は、推進力を加えた状態で呼吸をコントロールする練習です。
ビート板を胸に抱えても良いので、仰向けでキック(バックキック)を行います。
このとき、顔に水がかかる機会が増えますが、決して呼吸を止めないように注意します。
キックの振動で鼻に水が入りやすくなるため、静止時よりも少しだけ強めに鼻から息を出し続けるのがコツです。
自分の鼻から出た泡が、顔の横を流れていく様子を確認しながら進みましょう。
この練習により、脚の動きに意識を奪われても、鼻の「門番」をサボらない習慣が身につきます。
「キックを頑張ると呼吸を忘れてしまう」という悩みを持つ方は非常に多いです。
しかし、このドリルを繰り返すと、キックのリズムと鼻のバリアがオートメーション化されていきます。
鼻から泡を出し続けることは、背泳ぎにおける「生命維持装置」の作動と同じだと考えてください。
- 壁を蹴って仰向けに浮き、キックを開始する。
- 鼻から「ブクブクブク…」と連続して泡を出し続ける。
- 肺の空気が半分くらいになったら、口で素早く吸い、また鼻から出し始める。
片手背泳ぎで呼吸のリズムを体に刻む
最後のステップは、腕の動きを加えたより実践的な練習、片手背泳ぎです。
片方の腕は体の横(または頭の上)に固定し、もう一方の腕だけでストロークを行います。
両手で泳ぐよりも動きがシンプルになるため、呼吸のタイミングに意識を集中させやすくなります。
腕が水に入る瞬間の浸水リスクを、鼻からの呼気でどのように防ぐかをテストしてください。
腕がリカバリー(空中にあるとき)に吸い、エントリー(入水)に合わせて鼻から強く吐く。
このリズムが完璧にできれば、通常の背泳ぎで鼻に水が入ることはまずなくなります。
あるジュニア選手は、この片手練習を繰り返すことで、ターンの際にも鼻に水が入らない呼吸のリズムをマスターしました。
複雑な動きを分解し、一つひとつの動作と呼吸を紐付けていくことが、技術の定着には欠かせません。
「腕の動きが呼吸を導き、呼吸が鼻を守る」という連動性を完成させましょう。
| ドリルの種類 | 主な目的 | 意識するポイント |
|---|---|---|
| 鼻出し浮き身 | 恐怖心の克服 | ハミングを止めない |
| ブクブクキック | 自動化の訓練 | 一定の泡を出し続ける |
| 片手背泳ぎ | タイミングの習得 | 入水に合わせて吐く |
道具に頼るのは恥じゃない!ノーズクリップ(鼻栓)で恐怖を断ち切る
「呼吸法を意識しても、どうしても鼻に水が入ってしまう」「練習するたびに鼻が痛くて、背泳ぎが嫌いになりそう……」
そんなときは、無理に自分の技術だけで解決しようとせず、文明の利器である「ノーズクリップ(鼻栓)」に頼るのも一つの正解です。
水泳の世界では、道具を使うことは決して「逃げ」ではなく、上達を加速させるための戦略的な選択と言えます。
特に背泳ぎにおいて、鼻への浸水は集中力を著しく削ぐだけでなく、パニックを引き起こしてフォームを崩す最大の要因となります。
まずはノーズクリップで「鼻に水が入らない安心感」を確保し、余裕を持ってフォーム改善に取り組むことで、結果的に早く上達できるケースが多々あります。
ここでは、ノーズクリップの賢い活用術と、失敗しない選び方について徹底解説します。
初心者がノーズクリップを使うメリット・デメリット
ノーズクリップを使う最大のメリットは、「呼吸の不安から解放され、フォームの改善に100%の意識を向けられること」です。
背泳ぎは視界が制限され、バランスを保つのが難しい種目ですが、鼻の痛みの恐怖がなくなるだけで体から余計な力が抜けます。
リラックスした状態で泳ぐ感覚を一度掴んでしまえば、後にクリップを外したときも、その感覚を再現しやすくなるのです。
一方で、デメリットとしては「鼻呼吸のスキルが身につきにくい」「ターンなどの激しい動きで外れる可能性がある」といった点が挙げられます。
しかし、これらは「ずっと使い続ける」と決めつけるのではなく、練習の段階に合わせて使い分けることで解決できます。
私の教え子の中にも、最初は鼻栓なしでは泳げなかった方が、安心感を得たことで3ヶ月後には自力で呼吸をマスターした例がいくつもあります。
最重要の一文は 「道具は技術を補完するものであり、練習の質を高めるためのブースターである」 という認識を持つことです。
「いつか外さなければならない」と自分を追い込む必要はありません。
むしろ、鼻へのストレスをゼロにすることで、水泳というスポーツ自体の楽しさを再発見することが、長期的な上達には不可欠なのです。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 精神面 | 「鼻が痛い」という恐怖心が消え、パニックを防げる | 道具がないと泳げないという依存心が生まれることがある |
| 技術面 | ストロークやキックのフォーム修正に集中できる | 鼻から息を出す「微調整」の感覚が育ちにくい |
| 身体面 | 塩素による鼻粘膜への刺激を抑えられる(鼻炎対策) | 長時間の使用で鼻の付け根が痛くなることがある |
競技者が教える「外れない・痛くない」付け方のコツ
ノーズクリップを使い始めた方が最初に直面する問題が、「泳いでいる最中に滑って外れてしまう」という悩みです。
これは多くの場合、ノーズクリップの性能のせいではなく、装着前の「ひと手間」を惜しんでいることが原因です。
鼻の表面には皮脂(油分)があり、これが水と混ざることで驚くほど滑りやすくなっているのです。
装着前に必ず行ってほしいのが、鼻の周りの油分をしっかりと拭き取ることです。
タオルの乾いた部分や、石鹸を使って鼻を洗うだけで、クリップの保持力は劇的に向上します。
また、装着する位置も重要で、鼻の穴を塞ぐのではなく、鼻翼(小鼻)の少し上の柔らかい部分を挟み込むのが正しい位置です。
私は現役時代、バサロキックの練習で激しく動く際、必ずセームタオルで鼻の脂を完璧に拭き取ってから装着していました。
この一手間を加えるだけで、1時間の練習中に一度もズレることなく泳ぎ続けることが可能になります。
「鼻を清潔にする」ことが、ノーズクリップを使いこなすための最大の秘訣と言っても過言ではありません。
- 泳ぎ始める直前に、鼻の表面を石鹸や乾いたタオルで拭き、油分を完全に落とす。
- クリップを広げ、小鼻の少し上の「最もくびれている部分」に合わせる。
- ゆっくりと手を離し、隙間がないか鏡や指先で確認する。
- 軽く水に潜り、鼻から息を吸おうとしてみて、空気が漏れないかチェックする。
タイプ別おすすめノーズクリップ比較
ノーズクリップには、主に「パッド型」と「ワイヤー型」の2つの主流タイプが存在します。
初心者が使いやすいのは、プラスチックの弾性を利用したパッド型で、肌当たりが柔らかく長時間つけていても痛くなりにくいのが特徴です。
一方、競技向けなのはワイヤー型で、自分の鼻の形に合わせて金属部分を曲げて調整できるため、抜群のホールド力を誇ります。
また、最近ではシリコン製の非常にコンパクトなものや、紛失防止のストラップがついたタイプも販売されています。
「すぐに失くしてしまいそう」と不安な方は、ゴーグルのベルトに通せるストラップ付きのものを選ぶと良いでしょう。
価格も数百円から千円程度と安価なので、まずは2〜3種類試してみて、自分の鼻の形に最もフィットするものを見つけるのが一番の近道です。
ある生徒さんは、鼻が少し高いタイプだったため、既製品のパッド型ではすぐに浮いてしまっていました。
しかし、ワイヤー型に変えて微調整を繰り返したところ、まるで自分の体の一部のようなフィット感を得ることができました。
「自分の鼻の個性に合わせた道具選び」が、ストレスフリーな水泳生活を実現する鍵となります。
- パッド型:初心者・フィットネス向け。装着が簡単で肌に優しい。
- ワイヤー型:中上級者・競技向け。調整自由度が高く、外れにくい。
- ストラップ付き:紛失が怖い人向け。ゴーグルと一体化できる。
鬼門のターンとバサロキックを攻略!激痛を寄せ付けないプロの技
普通の遊泳中は大丈夫でも、クイックターンやスタート後の潜行(バサロキック)のときだけは鼻に水が入る……。
そんな悩みを抱えている方は多いはずです。実は、これらの動作中には通常の数倍の水圧が鼻にかかります。
水面での呼吸法だけでは防ぎきれない「動的な水圧」に打ち勝つための、上級テクニックを伝授します。
クイックターンで回転している最中や、深く潜っているとき、私たちの体は上下左右の感覚を失いがちです。
その一瞬の隙をついて、水は容赦なく鼻の奥へと侵入してきます。
ここで必要となるのは、「状況に応じた呼気圧のコントロール」という、さらに一歩踏み込んだ技術です。
クイックターンの回転中に鼻から吐き続けるコツ
クイックターンの回転中、私たちの鼻は「下向き→後ろ向き→上向き」と激しく向きを変えます。
この回転の遠心力と水圧が重なる瞬間、鼻腔内の空気は外に逃げやすくなり、代わりに水が入り込もうとします。
これを防ぐためには、「回転が始まる直前から、壁を蹴り出す瞬間まで」息を吐き続ける必要があります。
よくある失敗は、回る直前に息を止めてしまい、回転の途中で苦しくなって鼻から空気が抜けてしまうケースです。
回っている間、鼻から「ブーッ」と力強く、しかも一定の量で吐き出し続けるイメージを持ってください。
このとき、鼻の奥にある「軟口蓋(なんこうがい)」という部分を意識的に動かすと、空気の漏れをコントロールしやすくなります。
ジュニア選手の指導中、ターンで鼻が痛いという子には「鼻から機関車のように煙を出し続けろ」とアドバイスします。
意識が外側(泡を出すこと)に向くことで、鼻に水が入る隙を与えなくなるのです。
最重要の一文は 「回転の勢いに負けない呼気圧を、ターンの一連の動作中ずっと維持すること」 です。
- 壁まで約1メートルの地点で、最後の一掻きを終えると同時に鼻から吐き始める。
- 体を丸めて回転する間、鼻から「ブー」と一定の音を出すイメージで吐き続ける。
- 壁を蹴り出し、ストリームラインを作った後も、バサロキックの最中まで細く吐き続ける。
スタート直後の「水中姿勢」での鼻の守り方
スタート台から飛び込んだ後や、壁を強く蹴り出した直後は、最もスピードが出るため鼻にかかる水圧も最大になります。
このとき、顎が上がっていると、水流がダイレクトに鼻の穴を直撃し、ハミング程度の呼気では押し返せなくなります。
水中での浸水を防ぐ最大の防御は、「顎をしっかり引き、二の腕で耳を挟む正しいストリームライン」です。
顎を引くことで鼻の穴は足側(後ろ側)を向き、水流が鼻の入り口を通り過ぎるような角度になります。
この姿勢を維持しながら、バサロキックの一打一打に合わせて鼻から小さく空気を送り出すのがプロの技です。
キックの振動に合わせて「プッ、プッ」とリズム良く吐くことで、鼻腔内の圧力を一定に保つことができます。
トップスイマーの水中映像を見ると、バサロキックのたびに鼻から小さな気泡が出ているのがわかります。
これは無意識の反応ではなく、水圧の変化に対応するための高度なテクニックなのです。
姿勢による物理的な遮断と、呼気による圧力調整のダブルガードこそが、激痛を回避する唯一の道です。
- 顎を引き、鼻の向きを水流と並行にする
- バサロキックのキックダウンに合わせて鼻から小刻みに吐く
- 肺の空気を使いすぎないよう、最小限の呼気量を意識する
水中での「泡のバリア」を作る感覚の磨き方
究極的に鼻に水が入らないようにするには、鼻の奥にある「弁(軟口蓋)」を閉じる感覚を身につける必要があります。
これは、口に水を含んで上を向いてガラガラうがいをするとき、喉に水が落ちないように閉めているあの感覚です。
この感覚を水中でも再現できれば、息を吐いていなくてもある程度、水の侵入をブロックできるようになります。
練習方法としては、垂直に潜った状態で、鼻から一瞬だけ強く息を吐き、すぐに「ピタッ」と止める練習を繰り返してください。
この「止める」瞬間に、鼻の奥で門が閉まるような感覚があれば大成功です。
これを習得すると、呼気を節約できるため、水中での潜行距離を長く伸ばすことにも繋がります。
私が指導したマスターズの選手は、この「鼻の奥を閉める」感覚を掴んだことで、ノーズクリップを完全に卒業できました。
「んー」と吐くハミングは初級の防御、「鼻の奥を自力で閉じる」のは上級の防御です。
この感覚を磨くことで、どんな激しい動きの中でも冷静に呼吸をコントロールできるようになります。
鼻の奥を閉める感覚を掴むトレーニング:
1. 陸上で口を閉じ、鼻から強く吸う。
2. 途中で「カッ」と止める。このときの鼻の奥の緊張感が「弁を閉じた状態」。
3. この感覚を維持したまま、水中でお辞儀をする練習から始める。
まとめ:水への恐怖を無くして背泳ぎをもっと楽しく
背泳ぎで鼻に水が入るという悩みは、多くのスイマーが一度は通る道です。
しかし、ここまで解説してきた通り、適切な「知識」と「テクニック」さえあれば、必ず克服できる課題でもあります。
鼻が痛いからといって背泳ぎを諦めてしまうのは、水泳の持つ本当の自由さを半分捨ててしまうようなものです。
鼻に水が入らなくなると、世界は一変します。
水面に浮き、天井や空を眺めながら、リラックスして手足を動かす心地よさ。
それは他の種目では味わえない、背泳ぎだけの特権です。
最後に、これまでの内容をおさらいし、あなたの次の一歩を後押ししましょう。
鼻呼吸のマスターは水泳全体のスキルアップに繋がる
今回ご紹介した「鼻から吐き続け、口で吸う」というリズムは、実は背泳ぎだけでなく、クロールやバタフライでも共通する基礎技術です。
背泳ぎでこの呼吸法を完璧にマスターできれば、他の種目でも水が鼻に入るトラブルが激減し、結果として全体の肺活量管理が向上します。
背泳ぎの克服は、あなたのスイマーとしての格を一段階引き上げる挑戦なのです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、人間の体は必ず適応します。
ハミング呼吸が習慣化し、鼻の弁を操れるようになれば、もはや「鼻に水が入るかも」という不安すら抱かなくなる日が来ます。
そのとき、あなたは本当の意味で「水と友達」になれたと言えるでしょう。
一歩ずつ進むためのマインドセット
上達のコツは、焦らないことです。
「今日は鼻出し浮き身だけ完璧にする」「今日はノーズクリップを使って100m泳いでみる」といった、小さな目標を立ててください。
痛みを感じたら一度練習を止め、リセットする勇気も必要です。
無理に痛みを我慢することは、恐怖心を植え付けるだけで上達を妨げます。
この記事を読み終えたあなたは、すでに多くの解決策を手にしています。
まずは次のプールで、鼻から「んー」と小さくハミングすることから始めてみてください。
一歩ずつ着実に進んでいけば、いつの間にか背泳ぎがあなたの最も得意な種目になっているはずです。
- 鼻の穴が上を向く物理的構造を理解したか
- 「んー」というハミング呼吸を試してみたか
- 顎を引きすぎず、上がりすぎない姿勢を作れているか
- 必要に応じてノーズクリップを準備したか
- ターン時は「ブー」と強く吐く意識を持てているか
さあ、痛みのない、快適な背泳ぎの世界へ飛び込みましょう!
