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背泳ぎのターンで劇的にタイムを縮める!失格を防ぎ壁を味方にする完全攻略ガイド

背泳ぎを泳いでいて、最も緊張する瞬間は「壁が近づいてきたとき」ではないでしょうか。
視界が開けない中でフラッグを目印にターンへ入る動作は、初心者から上級者まで共通の悩みです。
「あと何回掻けばいいのか不安」「クイックターンで失格にならないか怖い」と感じる方は少なくありません。

  • 壁との距離感が掴めず、いつも詰まってしまう
  • うつ伏せになった後の動作で「失格」を取られたことがある
  • 回転が遅く、せっかくのリードをターンで台無しにしている
  • ターン後のバサロキックで鼻に水が入って苦しい

実は、背泳ぎのターンは単なる「方向転換」ではなく、壁の反発力を最大限に利用する「加速装置」です。
正しいルール解釈と、体幹を連動させた回転技術をマスターすれば、それだけでタイムは0.5秒以上変わります。
本記事では、現役スイマーや指導者も再確認する「最新の競技規則」に基づいた最強のターン術を伝授します。

私自身、かつてはターン直前の迷いで失格を繰り返し、壁を蹴るたびに鼻に水が入る苦痛に悩まされていました。
しかし、動作を細分化し、物理的なアプローチでフォームを改善した結果、ターンこそが最大の武器に変わりました。
この記事を読み終える頃には、あなたは壁を恐れることなく、爆発的なスピードで後半戦へ突入できるようになるはずです。

結論から言えば、背泳ぎターン成功の鍵は「5mフラッグ通過後のストローク数の固定」と「回転半径の最小化」にあります。
それでは、具体的なステップを一つずつ深掘りしていきましょう。


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目次

背泳ぎターンの基礎知識と失格を避ける厳守ルール

背泳ぎのターンにおいて、技術以前に最も重要なのが「競技規則(ルール)」の正確な理解です。
他の種目と異なり、背泳ぎはターンの過程で一度「うつ伏せ」になることが許されている特殊な種目だからです。
この「うつ伏せになってから壁に触れるまで」の動作には、非常に厳格な制限が存在します。

ローリング(うつ伏せ)開始のタイミングと注意点

背泳ぎのクイックターン(ロールオーバーターン)では、壁に到達する前に体を反転させてうつ伏せになります。
この際、うつ伏せの状態になれるのは「壁へのタッチ動作に入るための連続した動作」の中に限られます。
つまり、うつ伏せになったままダラダラとキックだけで進んだり、静止したりすることは許されません。

よくある失敗は、壁が遠いと感じてしまい、うつ伏せの状態でキックを数回打ってしまうケースです。
これは審判から「非連続な動作」と見なされ、即座に失格の対象となってしまいます。
うつ伏せになる動作(ローリング)を開始した瞬間から、ターンのための「一掻き」が始まっていると意識しましょう。

具体的には、最後のストロークで腕を回しながら体をひっくり返し、そのままスムーズに回転動作へ繋げる必要があります。
この「一連の流れ」を体に染み込ませることが、背泳ぎターンの第一歩であり、最大の防御策となります。
視界が反転する瞬間の恐怖心を、練習によって「加速へのスイッチ」へと変換していくことが求められます。

【重要】ルール違反にならないためのチェックポイント
項目 OK(合格) NG(失格リスク)
うつ伏せへの反転 腕の掻きと同時にスムーズに反転 反転後に両腕が止まっている
腕の使用 片腕、または両腕同時に一掻きのみ 二掻き目を行ってしまう
回転への移行 一掻きの終わりに即座に回転開始 キックだけで壁に近づこうとする

「連続した動作」と見なされるための腕の使い方

うつ伏せになった後、壁を蹴るために回転する直前の「一掻き」が、審判の判断を左右するポイントです。
この腕の動作は、必ず「中断することなく」回転動作に繋げなければなりません。
腕が太ももの横で止まってしまい、一呼吸置いてから回転すると「非連続」と判断される可能性が高まります。

理想的なのは、腕が水を掻き切る力(プル)を、そのまま体を丸める力に転換することです。
手が太ももに触れるか触れないかのタイミングで、顎を引き、頭を水中に沈め始めましょう。
この時、手のひらで水を押さえつけるようにすると、上半身がスムーズに沈み込み、回転のきっかけが作りやすくなります。

また、両手を使って同時に掻くこともルール上は可能ですが、バランスを崩しやすいため、多くの選手は片手で行います。
どちらの腕で最後の掻きを行うか(うつ伏せに入るか)を事前に決めておく必要はありません。
どんな状況でも「最後の一掻き=回転の始動」というリズムを崩さないことこそが、安定したターンの秘訣です。

タッチの定義と競技規則(FINAルール)の完全解釈

背泳ぎのターンにおいて「壁に触れる」という行為は、実は手で行う必要はありません。
うつ伏せになって回転し、足の裏で壁を蹴るという一連の動作において、足が壁に触れれば「タッチ」と見なされます。
重要なのは、壁を蹴って離れる(プッシュオフ)の瞬間、体は「仰向け」に戻っていなければならないという点です。

「ターン中、壁を離れる時までに、体は背上の位置に戻っていなければならない。」
(公益財団法人日本水泳連盟 競泳競技規則より引用)

これは、足が壁を離れる瞬間に、体の中心線(両肩を結ぶ線)が水平に対して90度を超えて、背中側が水面を向いている必要があることを意味します。
完全に真上を向いている必要はありませんが、横を向きすぎた状態で離壁すると、やはり失格の対象となります。
回転して壁を蹴る際、つま先を真上に向けるイメージを持つことで、自然と仰向けのストリームラインへと移行できます。

かつて私は、ジュニア時代の全国大会で、この「離壁時の姿勢」によって失格を経験したことがあります。
自分では仰向けになっているつもりでも、スピードに乗りすぎて体が回りきらず、横向きのまま壁を蹴り出してしまったのです。
この経験から学んだのは、ターンは「回ること」よりも「正しい姿勢で壁を離れること」に本質があるという教訓でした。


5mフラッグから壁までの「歩数計算法」と予備動作

背泳ぎにおいて、壁との距離を測る唯一の道標が、水面上空に設置された「5mフラッグ」です。
このフラッグを通過してから、何回腕を掻けば壁に到達するかを把握することを、スイマーの間では「歩数を合わせる」と呼びます。
この歩数が安定しない限り、どんなに速く泳げてもターンで必ず減速してしまいます。

ストローク数を固定する「マイ歩数」の見つけ方

まずは、自分にとって最適な「フラッグ通過後のストローク数」を確定させましょう。
一般的に、ジュニアスイマーで4〜5掻き、体力のある成人男性やトップ選手で3〜4掻きが目安となります。
この歩数は、全力で泳いでいる時と、ゆっくり泳いでいる時で微妙に変化するため注意が必要です。

練習では、まず「4掻き」を基準にしてテストを行ってみてください。
4掻きしてうつ伏せになったとき、壁が遠すぎたり近すぎたりしないかを確認します。
もし壁が近すぎて窮屈なら3掻きに減らし、遠すぎて足が届かないなら5掻きに調整します。

この「マイ歩数」を決定する際は、単に回数だけでなく「右腕で入るか、左腕で入るか」まで固定するのが理想です。
いつも同じ腕でうつ伏せになるリズムを作っておけば、レース中の極限状態でも迷いが生じません。
「フラッグが見えた、1、2、3、回る!」という体内時計を、練習のたびにキャリブレーション(微調整)していきましょう。

歩数測定と固定のための3ステップ
  1. 基準の把握:フラッグを通過してから何掻きで壁に手が届くかを数える(回転せずにタッチ)。
  2. マイナス1の法則:タッチした歩数から「1」を引いた数が、回転を開始する(うつ伏せになる)タイミング。
  3. 全力テスト:レースペースで泳ぎ、水の抵抗や伸びを考慮した「実戦用歩数」を確定させる。

壁までの距離を正確に測る視線のコントロール

背泳ぎでは真上(天井)を見ているため、フラッグを視認した後の距離感は想像以上に狂いやすいものです。
フラッグを通過した瞬間、視線を無理に後ろへ送ろうとしたり、壁を探そうとして顎を上げたりしてはいけません。
顎を上げると腰が沈み、ストロークの長さが変わってしまうため、歩数が合わなくなる原因になります。

正しい視線のコントロールは、フラッグが見えた後も「頭の位置を固定し続ける」ことです。
フラッグが視界から消えてからの距離は、視覚ではなく「腕の回転のリズム」で感じ取ります。
どうしても不安な場合は、コースロープの色が変わるポイント(多くのプールで残り5mから色が変わる)を周辺視野で捉える訓練をしましょう。

エピソードとして、私が指導していたある選手は、いつもターンで壁に突っ込みすぎる癖がありました。
原因を調べると、彼はフラッグを「凝視」しすぎて、首に力が入り、ストロークが小さくなっていたのです。
「フラッグはただの合図、そこからは自分のリズムを信じるだけ」とアドバイスしたところ、彼のターンは劇的に安定しました。

ターンのきっかけを作る最後の「一掻き」の深さ

歩数が合い、いよいよターンに入る最後の「一掻き(フィニッシュ)」には、特別な工夫が必要です。
この一掻きは、単に後ろに水を送るだけでなく、自分の体を「水中に引き込む」役割を持たせます。
通常よりも少し深めに腕を掻き込み、水を手で下方向に押さえるようなイメージを持ちましょう。

この深い掻き込みによって、上半身がわずかに沈み込み、回転に必要な「回転軸」が生まれます。
この時、反対側の腕はすでに太ももの横にあるか、リカバリー(空中)から戻ってきた状態になります。
両腕が太ももの横に揃った瞬間、あなたの体は最強の弾丸へと姿を変え、回転の準備が整います。

この最後の動作で最も重要なのは、スピードを殺さないことです。
「ターンだ!」と意識しすぎてブレーキをかけるのではなく、むしろ最後の一掻きで加速するつもりで壁に突っ込んでください。
壁に向かうスピードが速ければ速いほど、その慣性を利用して、より鋭く、より速く回ることが可能になるからです。


コンマ数秒を削る「超速回転」と腹筋の連動技術

背泳ぎのターンにおいて、回転速度はタイムに直結します。
多くの初心者が「ゆっくり回ってしまう」のは、全身を一枚の板のように固めて回ろうとしているからです。
速く回るための鉄則は、体を「できるだけ小さく、コンパクトに丸める」ことにあります。

鼻に水が入らない「ハミング呼吸法」の極意

ターンの回転中、特に多くの人を悩ませるのが「鼻に水が入る」問題です。
鼻がツーンとする痛みは、集中力を削ぎ、次の動作への遅れを生じさせます。
これを防ぐための唯一の解決策が、回転の瞬間に鼻から細長く息を出し続ける「ハミング呼吸法」です。

回転を開始した瞬間(頭が下を向いたとき)から、ハミング(鼻歌)を歌うように「んー」と鼻から空気を出し続けてください。
これにより鼻腔内の圧力が外気圧より高まり、水の侵入を物理的にブロックします。
一気に吐き出すのではなく、壁を蹴り、潜行(バサロ)が終わるまで一定の量を出し続けるのがコツです。

また、上唇を少し突き出して、鼻の穴を塞ぐように「への字」にする表情(通称:ゴリラ顔)も有効です。
見た目を気にする必要はありません。水中で鼻をガードし、快適にターンを完遂することの方が遥かに価値があります。
この呼吸法が安定すると、ターンの恐怖心が消え、より攻撃的なアプローチが可能になります。

膝を引き寄せ、回転半径を最小化するコンパクト・フォーム

物理学において、回転する物体の半径が小さければ小さいほど、回転速度は上がります。
フィギュアスケートの選手がスピンの際に腕を縮めるのと同じ原理です。
背泳ぎのターンでも、踵(かかと)をお尻に引き寄せ、膝を胸に近づけることで、爆発的な回転速度が得られます。

回転のきっかけは「顎を引く」ことです。胸を見るようにして頭を丸めると、自然と背中が丸まります。
そこへ腹筋を使い、一気に両足を自分の方へ引き寄せます。
足が水面上を通過する際、膝が伸びていると大きな抵抗になりますが、コンパクトに畳まれていれば、空気と水の境目を切り裂くように回れます。

この時、腕は「舵」の役割を果たします。手のひらを上(頭の方向)に向けて、水をかくように動かすと、回転を強力にアシストできます。
足が壁に向かって投げ出されるまで、体はボールのように丸まった状態を維持してください。
この「小さくなって、一気に爆発する」という緩急こそが、超一流のターンの正体です。

超速回転を実現する3つの必須アクション
  • 顎の完全密着:回転中、顎を胸から決して離さない。
  • 踵の引き寄せ:踵でお尻を叩くイメージで、膝を深く折り曲げる。
  • 腹筋の瞬間収縮:おへそを覗き込む力で、下半身を頭上へ放り投げる。

踵(かかと)で壁を捉えるベストポジション

回転が終わり、足が壁に到達する瞬間、あなたは「壁のどの位置に、どのような姿勢で」着地しているべきでしょうか。
理想的なのは、水面から30cm〜50cmほど深い位置に、両足の裏がしっかりと接地している状態です。
浅すぎると足が水面を叩いて空気を噛んでしまい、深すぎると浮き上がりに時間がかかりすぎてしまいます。

足をつくときは、つま先を真上に向けてください。これが「離壁時に仰向けであること」を保証する最も簡単な方法です。
また、足の幅は肩幅よりも少し狭め、腰の幅くらいに開くと、最も力強く壁を蹴ることができます。
踵から壁に触れ、足裏全体で重みを捉える感覚を研ぎ澄ませましょう。

回転の勢いが強すぎると、壁を蹴る前に体が左右に流れてしまうことがありますが、これを防ぐのが「体幹の締め」です。
壁に足がついた瞬間、一瞬だけ「溜め」を作るような意識を持つと、蹴り出しのパワーが最大化されます。
次のセクションでは、この溜めたパワーをどう推進力に変えるか、ストリームラインの技術を詳しく解説します。

ここまでの動作が完璧であれば、あなたはすでに隣のコースのライバルよりも一足先に「加速の準備」が整っているはずです。


爆発的な推進力を生む壁蹴りとストリームラインの構築

壁を足で捉えた後の「蹴り出し」は、水泳において最もスピードが出る瞬間です。
しかし、この最大の推進力を、姿勢の乱れや角度のミスで台無しにしているスイマーは少なくありません。
壁を蹴るパワーを100%推進力に変換するための、ストリームラインの極意を解説します。

壁を蹴る「深さ」と「角度」の黄金比率

壁を蹴り出す深さは、浅すぎても深すぎてもいけません。
水面に近い場所を蹴ると、自分のキックで発生した引き波(乱流)に巻き込まれ、大きな抵抗を受けてしまいます。
逆に深すぎると、浮き上がるまでに時間がかかり、後半の失速を招く原因になります。

理想的な深さは、水面から約40cm〜60cmの「静かな水域」を狙うことです。
また、蹴り出す角度は水平よりもわずかに下方向へ向けるのがコツです。
斜め下へ向かって鋭く突き刺すように蹴り出し、そこから緩やかなカーブを描いて浮上するのが最も効率的な軌道です。

私が現役時代、どうしても壁蹴り後に体が浮いてしまう時期がありました。
原因は、壁を蹴る瞬間に「上を向こう」という意識が強すぎて、腰が反ってしまっていたことでした。
「一度深みに潜り、そこから加速を拾う」というイメージに変えてから、壁蹴り後の伸びが1m以上変わったのを覚えています。

理想的なプッシュオフを実現する手順
  1. タメの形成:膝を90度よりやや深く曲げ、バネを圧縮するように壁を捉える。
  2. 爆発的キック:親指の付け根に力を込め、一気に膝を伸ばして壁を「押し切る」。
  3. 斜め下の軌道:水平より10度〜15度下を目指して、弾丸のように飛び出す。

水の抵抗をゼロにする親指の重ね方と腕のロック

壁を蹴った瞬間、体は時速10km以上の猛スピードで進んでいます。
この時、指先一つ、肘の緩み一つが巨大なブレーキとなって襲いかかります。
抵抗を最小限にする「ストリームライン」は、腕を耳の後ろで固定し、完全にロックされた状態でなければなりません。

具体的には、片方の手のひらの上にもう一方の手を重ね、上の手の親指を下の手に引っ掛けるようにして固定します。
こうすることで、高速移動中に腕が水の水圧で開いてしまうのを物理的に防ぐことができます。
肘をしっかりと伸ばし、頭を両腕の間に挟み込んで、首の付け根まで一本の棒になった感覚を持ちましょう。

多くのスイマーが「腕を伸ばす」ことに集中するあまり、お腹が抜けて(反って)しまっています。
ストリームラインを完成させるのは腕ではなく「腹筋」です。
肋骨を内側に引き込み、背中をフラットに保つことで、水流をスムーズに後ろへ受け流すことができます。

専門家のアドバイス:ストリームラインの「穴」を塞げ
多くの指導者が指摘するのは、脇の下や膝の間の「隙間」です。この隙間に水が入り込むと、渦が発生してブレーキになります。壁を蹴る瞬間は、全身の穴を塞ぎ、一つの「槍」になるような意識を持ってください。特に足首までまっすぐ伸ばすことを忘れずに。

蹴り出し直後の「沈み込み」を防ぐ体幹の締め

壁を強く蹴れば蹴るほど、その反動で腰が落ち、沈み込みすぎてしまう現象が起こります。
これを防ぐには、壁を蹴る直前から蹴った直後にかけての「体幹の剛性」が不可欠です。
体幹が緩んでいると、壁からの力が腰で逃げてしまい、スピードが殺されてしまいます。

イメージとしては、自分の体を「鉄の芯が入った丸太」のように固めることです。
足が壁を離れる瞬間、お尻の穴を締めるように力を入れると、下半身と上半身が強固に連結されます。
この連結が保たれている限り、壁を蹴ったパワーは一切のロスなく、前方への推進力へと変換されます。

練習では、壁を蹴ってから何メートル「ノーキック」で進めるかを測定してみてください。
上手な選手は、キックをしなくてもストリームラインだけで5mラインを優に超えていきます。
もし3m程度で止まってしまうなら、それはパワー不足ではなく、姿勢のどこかに「抵抗」という穴が開いている証拠です。


バサロキックから浮き上がりへのスムーズな接続

壁蹴り後のスピードを維持し、さらに加速させるのが「バサロキック」の役割です。
しかし、バサロに夢中になりすぎて浮き上がりのタイミングを逃すと、かえってタイムロスになります。
潜行から水面へのスムーズな移行こそ、トップスイマーと一般スイマーを分ける境界線です。

潜行距離を最大化する「バサロキック」の打ち方

バサロキック(ドルフィンキック)は、足先だけで打つのではなく、胸のあたりから体全体をしならせるように打ちます。
特に重要なのは「アップキック(背中側への蹴り上げ)」を意識することです。
下方向へのキックは意識しなくても強くなりますが、上方向への蹴りが弱いと、推進力が半分になってしまいます。

リズムも重要です。壁を蹴った直後は最もスピードが出ているため、最初は小さく速いリズムで打ち始めます。
スピードが落ちてくるに従って、徐々にキックの幅を大きくし、ダイナミックな動きへと移行させます。
この「加速の減衰に合わせてリズムを変える」テクニックが、15m制限を最大限に活かすコツです。

練習でよく見かけるのは、バサロの回数だけを決めてしまい、スピードを無視しているケースです。
回数ではなく「自分が水中で最も速くいられる距離」を探りましょう。
浮き上がる直前のバサロが最も力強く、かつ抵抗の少ないものである必要があります。

効率的なバサロキックの連動表
フェーズ キックの幅 意識するポイント
壁離脱直後 極小 ストリームラインの維持、小刻みな振動
潜行中間部 胸からのしなり、アップキックの強化
浮上前 水面へ向かう推進力、一掻き目への準備

浮上開始を知らせる「水面の輝き」の見極め方

背泳ぎでは水中から水面を見上げる形になるため、いつ水面に出るかの判断が非常に難しいものです。
早すぎれば距離を損し、遅すぎればスピードが死んだ状態で泳ぎ始めることになります。
判断の基準は、視界に入る「水面の輝き」と「泡の動き」にあります。

水深が浅くなってくると、天井のライトが反射して水面が白く、明るく輝き始めます。
また、自分のキックで発生した泡が水面で弾ける様子が見えたら、そこが浮き上がりのポイントです。
この視覚情報と、壁を蹴ってからの「秒数」をセットで覚えるようにしましょう。

私はかつて、浮き上がりのタイミングが合わず、水面を突き破るように急浮上してしまい、失速していました。
コーチから「飛行機が滑走路から離陸するように、滑らかに浮き上がれ」と言われ、視線を少し斜め後ろに固定することを学びました。
真上を見るのではなく、進行方向の斜め後ろを意識することで、頭から滑らかに水面を割ることができるようになったのです。

スピードを殺さない「一掻き目」の絶妙なタイミング

浮き上がりの瞬間に行う最初のストローク(一掻き目)は、ターンの成功を決定づける最後の仕上げです。
頭が水面に出るか出ないかのタイミングで、片腕を力強く掻き下ろします。
この時、まだ腕が水中にあり、体がわずかに沈んでいる状態から掻き始めるのがポイントです。

「水中で掻き始め、手が太ももを通過する時に頭が水面を割る」のが理想的な一掻き目です。
これにより、水中の高い密度を利用して大きな推進力を得つつ、その力で体を水面上へと押し出すことができます。
この一掻き目が遅れると、せっかくのバサロの勢いが止まり、泳ぎ出しが重くなってしまいます。

また、最初の一掻きは通常よりも深めに、そして力強く行いましょう。
ここでの加速が、その後の15m、25mの巡航速度を決定します。
浮き上がりは「泳ぎの再開」ではなく「ターンの最終加速」であるという意識を持ってください。

「背泳ぎの勝敗は、ターンの浮き上がりで決まる。一掻き目で水面を切り裂くスピードが、相手に精神的なプレッシャーを与えるのだ。」

名門大学水泳部 監督の言葉


【レベル別】自宅とプールでできる特化型ドリル

理屈を理解したら、次は反復練習です。しかし、いきなり全速力でターンをしても修正点は見えにくいものです。
自分の現在のレベルに合わせて、課題を細分化した練習メニュー(ドリル)を取り入れましょう。
段階を踏むことで、複雑なターンの動作が自然と体に染み込んでいきます。

【初心者】壁際での「くるりんぱ」回転練習

まずは、壁にぶつかる恐怖心を取り除き、コンパクトに回る感覚だけを養います。
泳ぐ必要はありません。壁から1mほどの場所に立ち、その場でうつ伏せになり、前転して壁に足をつける練習です。
この際、手で水を下方向に押す感覚と、おへそを覗き込む感覚だけに集中してください。

最初はゆっくりで構いません。鼻から息を出し続けることを忘れずに練習しましょう。
足が壁についたとき、しっかりつま先が上を向いているか、膝が胸に引き寄せられているかを確認します。
この基礎練習を20回繰り返すだけでも、脳内の「回転センサー」が劇的に磨かれます。

【中級者】片手ストロークからのクイックターン連動

次に、泳ぎの中からスムーズに回転へ繋げる練習です。片手だけで背泳ぎを泳ぎ、5mフラッグを合図にターンへ入ります。
片手で行うことで、うつ伏せになる際の「最後の一掻き」をどちらの手で行うべきか、そのタイミングが明確になります。
特に、反転してから回転を開始するまでの「非連続な動作」にならないよう、リズムを重視しましょう。

慣れてきたら、あえて「歩数を一歩余らせる」「一歩手前で回る」といった微調整の練習も行います。
どんな距離感でも、自分の体の丸め方次第でカバーできる柔軟性を身につけるのが目的です。
このドリルを繰り返すと、レース中に歩数がズレてもパニックにならずに対応できるようになります。

レベル別・練習達成目標
レベル ドリル名 クリア条件
初心者 立ち回転タッチ 鼻に水が入らず、足が壁の中央に当たる
中級者 片手スイムターン 反転から回転まで止まらずに連動する
上級者 目隠し5mターン フラッグからの感覚だけで完璧な距離で回る

【上級者】目隠しでの5mアプローチ訓練

上級者にとっての課題は「精度」と「再現性」です。
ゴーグルをわざと曇らせたり、目を閉じた状態で5mフラッグ通過後の歩数を合わせる練習を行います(安全のため、監視員がいる環境で行ってください)。
視覚に頼らず、水の抵抗、ストロークのリズム、壁との距離感を「肌」で感じ取る能力を極限まで高めます。

この練習の意図は、レース中の極限状態でも「迷い」をゼロにすることにあります。
隣のコースの水しぶきでフラッグが見えにくくなったり、照明が眩しくて視界が遮られたりしても、体感リズムが確立されていればミスは起きません。
「何があってもこのリズムで回れば大丈夫」という絶対的な自信を構築しましょう。


レースで焦らないためのメンタルマネジメントとQ&A

練習では完璧なのに、レース本番でターンを失敗してしまう。その原因の多くはメンタルにあります。
特に競り合っている状況では、視覚情報が混乱し、いつも通りの動作ができなくなるものです。
最後に、実戦で100%の力を出し切るための心の整え方と、よくあるトラブルへの対処法をまとめました。

隣のコースが見えた時の動揺を防ぐ集中法

背泳ぎは隣の選手が視界に入りやすい種目です。相手が自分より先にターンに入ると、「急がなきゃ!」という焦りが生まれます。
しかし、この焦りこそが最大の敵です。焦って回転を早めようとすると、フォームが崩れて回転半径が大きくなり、結果として遅くなります。
相手が視界に入った時こそ、「自分のストロークを数える声」を脳内で大きく響かせてください。

「1、2、3、回る!」という自分のリズムだけに没入し、外部の情報をシャットアウトします。
ターンは自分と壁との一対一の対話です。相手のスピードに惑わされるのではなく、自分の歩数を信じて壁に突っ込みましょう。
この「自分の世界に入る技術」が、ハイレベルなレースでの勝敗を分けます。

「壁が遠い!」と感じた時の緊急調整テクニック

どれだけ練習しても、レースでは「あれ、壁が遠いぞ」と感じる瞬間があります。
そんな時、無理に手を伸ばしてタッチしようとするのは最悪の選択です。
失速するだけでなく、そのままうつ伏せになって失格になるリスクが高まるからです。

緊急時の対策は、最後のストロークを「少しだけ深く、長く」掻くことです。
または、うつ伏せになった瞬間に強めのキックを一打だけ入れて、体を壁側に送り込みます。
「詰まる(近すぎる)」よりは「遠い」方が、回転の勢いでカバーしやすいため、迷ったら思い切って回ってしまうのが正解です。

よくある質問:ゴーグルに水が入るのを防ぐには?
ターンの回転時に水圧でゴーグルがズレるという悩みは多いです。解決策は、回転中に「少しだけ顎を引く力を強める」ことと、「眉間にシワを寄せるようにして顔の筋肉を固定する」ことです。また、レース前には必ずゴーグルの紐をいつもより一段階きつく締める習慣をつけましょう。

背泳ぎターンに関するQ&Aまとめ

  • Q:鼻がどうしても痛いのですが?
    A:ハミング呼吸が足りない証拠です。水中に入る前から「んー」と声を出す練習をしてください。
  • Q:回転後に真っ直ぐ進めません。
    A:壁を蹴る足の裏の感触が左右不均等なはずです。両足同時に、真後ろへ蹴る意識を持ちましょう。
  • Q:50mレースでもバサロは限界まで打つべき?
    A:50mはスピード勝負。バサロで減速を感じる前に浮き上がり、スイムの回転数を上げる方が速い場合があります。

背泳ぎのターンは、一見すると複雑で難解な動作の連続です。
しかし、一つひとつの動作を分解し、ルールを味方につけ、自分なりの「歩数」を確立すれば、これほど心強い武器はありません。
今日からプールに行く際は、ただ泳ぐだけでなく「壁と仲良くなる」ことを意識してみてください。

あなたの背泳ぎは、このターンの進化によって、全く新しいステージへと引き上げられるはずです。
コンマ数秒の壁を突き破り、自己ベスト更新という最高の瞬間を掴み取りましょう!

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