本ページはプロモーションが含まれています

クロールの種類を徹底解説!目的別の泳ぎ分けと上達の極意

「クロールを練習しているけれど、YouTubeで見ている泳ぎと自分の泳ぎが何だか違う気がする」「25m泳ぐだけで息が切れてしまうのは、泳ぎ方の種類の選択を間違えているのではないか」と悩んでいませんか?

実は、一言に「クロール」と言っても、競泳のトップ選手が泳ぐ形と、トライアスリートやフィットネス目的で泳ぐ形では、その構造が根本から異なります。自分に合わない「種類」を無理に練習しても、体力を消耗するだけで上達のスピードは上がりません。

  • 自分の目的に最適なクロールの種類が明確になる
  • 「2ビート」や「6ビート」の使い分けが理論で理解できる
  • 腕の回し方(リカバリー)の正解が分かり、肩の痛みがなくなる
  • 長距離を楽に、あるいは短距離を爆速で泳ぐための具体的な練習法が分かる

私はこれまで数多くのスイマーを指導してきましたが、上達が早い人に共通しているのは「今の自分に必要な泳ぎの種類」を正しく選択できている点です。この記事では、SWELLの機能をフル活用した視覚的な解説を通じて、あなたの水泳人生を変える「究極のクロール選定ガイド」をお届けします。

結論から申し上げます。クロールに唯一絶対の正解はありません。あなたの筋力、柔軟性、そして「何のために泳ぐのか」という目的によって、最適解は180度変わります。まずはその全体像から紐解いていきましょう。


連続不合格』をプロの個別指導で抜け出す

「なぜうちの子だけ受からないの?」そんなママ・パパの悩みを『水泳の家庭教師』が解決します。スイミングでは見落とされるお子様特有の「小さなクセ」を取り除き、お子様の笑顔と合格を最短で叶えます。

\人気コーチの予約が埋まってしまう前に/

全国どこでも対応可能

目次

クロールには「4種類」の基本形がある:目的別分類の全体像

クロールを分類する際、最も重要なのは「どこで、何のために泳ぐか」というシチュエーションです。プールで0.01秒を競うのか、あるいは海で数キロメートルを泳ぎ切るのかによって、身体の使い方は劇的に変化します。

まずは、現代のクロールにおける主要な4つのカテゴリーを比較表で確認してみましょう。自分がどのカテゴリーに属しているのか、あるいは目指したいのかをイメージしながら読み進めてください。

スタイル名 主な目的 速度 体力消耗 難易度
競泳スタイル タイム短縮・レース 最高 非常に激しい 高め
フィットネス 健康維持・ダイエット 緩やか 低め
オープンウォーター 海・トライアスロン 中〜高 効率重視 中(実戦的)
リハビリ・健康増進 機能改善・シニア 最小限 非常に低い

このように、目的が変われば「最適」とされるフォームも変わります。それでは、それぞれの種類について、より深い専門的な視点から深掘りしていきましょう。

最速を求めるなら「競泳スタイル」

競泳スタイルの神髄は、水の抵抗を極限まで減らしつつ、爆発的な推進力を生み出すことにあります。主に25mから1500mまでの競泳レースで使用されるこの泳ぎは、強靭なインナーマッスルと高い柔軟性を前提としています。

ある指導現場でのエピソードをご紹介します。独学で「競泳選手のような泳ぎ」を真似していた30代の男性スイマーがいました。彼は腕を力一杯回していましたが、25mで息が上がり、タイムも伸び悩んでいました。

彼に欠けていたのは、単なるパワーではなく「ストリームライン(水中姿勢)」の維持でした。競泳スタイルでは、キックによって腰の位置を高く保ち、身体を一本の棒のように硬く、かつしなやかに保つことが求められます。

競泳スタイル習得へのアクションプラン
  1. ストリームラインの徹底:壁を蹴った後の姿勢で10m以上進めるようにする。
  2. ハイエルボーの習得:キャッチ(水を掴む瞬間)で肘を高く保つ。
  3. 6ビートキックの同期:腕のストロークとキックのタイミングを完全に一致させる。

競泳におけるクロールは、物理学との戦いです。前面投影面積をいかに小さくし、後方への水押しを最大化するか。この追求に終わりはありません。特に現代水泳では、体幹(コア)を使ったローテーションが不可欠です。

シニア水泳コーチの視点

長距離を楽に泳ぐ「フィットネススタイル」

フィットネススタイルの目的は、心拍数を一定に保ち、長時間泳ぎ続けることで脂肪燃焼や心肺機能向上を図ることです。競泳のような激しいキックは封印し、浮力を最大限に活かした「省エネ」の動きが主体となります。

ジムのプールで、1時間休まずに淡々と泳ぎ続けている人を見たことはありませんか?彼らは決して筋力だけで泳いでいるわけではありません。水の抵抗を上手く受け流し、呼吸を整えるリズムを完全にマスターしているのです。

例えば、50代の女性会員様。最初は25mで止まっていましたが、フィットネススタイルに切り替えてから、わずか3ヶ月で1kmを連続で泳げるようになりました。ポイントは、無理に速く動かそうとせず、腕の重みを利用して「滑るように泳ぐ」感覚を掴んだことでした。

フィットネススタイルを長く続けるコツ
  • 呼吸を吐き切る:水中で鼻からしっかりと息を吐き出すことで、スムーズな吸気が可能になります。
  • グライド(伸び)を意識:腕を入水させた後、すぐに掻かずに一瞬「待ち」の時間を作ります。
  • 2ビートキックへの移行:足の動きを最小限にし、下半身を浮かせるためだけにキックを使います。

このスタイルでは、「頑張らないこと」が最大の上達法となります。肩の力を抜き、水と喧嘩しないような穏やかなフォームを目指しましょう。結果として、それが最も効率的なトレーニングになります。

自然に挑む「オープンウォータースタイル」

プールという「静水」ではなく、海や湖といった「動水」で泳ぐための種類がオープンウォータースタイル(OWS)です。波や流れがある環境では、競泳の繊細なフォームよりも環境に適応できるタフな泳ぎが求められます。

トライアスロン初挑戦の方が陥りやすい罠が、プールの練習通りに泳ごうとすることです。海では波によって腕が戻しにくくなったり、前方を確認しないとコースアウトして大幅なロスをしたりします。これを防ぐために、OWS特有の技術が必要になります。

あるトライアスリートのエピソードですが、彼はプールでは速いものの、海に出るとパニックになり失速していました。原因は「ヘッドアップ(前方確認)」の練習不足でした。泳ぎの中に顔を上げる動作を組み込むことで、視界と安心感を確保できるようになったのです。

OWS実戦形式へのステップ
  1. ヘッドアップクロール:3〜5ストロークに一度、前方を見る動作を練習する。
  2. ハイリカバリー:波に手が当たらないよう、腕を少し高めに回す意識を持つ。
  3. ドラフティング:前の人の泡を追いかけ、抵抗を減らして泳ぐ技術を磨く。

海でのクロールは、自然との対話です。波のリズムに合わせ、時には力強く、時には柔軟にフォームを変える必要があります。完璧なフォームよりも、状況に即した『崩れないフォーム』が真の武器になります。

OWS日本代表経験者のアドバイス

身体の負担を抑える「リハビリ・健康増進スタイル」

怪我の回復期や、関節に不安を抱えるシニアの方に最適なのが、このリハビリ・健康増進スタイルです。可動域を無理に広げず、水圧によるマッサージ効果と浮力を最大限に利用することを主眼に置きます。

肩を痛めている方が「高い肘(ハイエルボー)」を作ろうとすると、さらに炎症を悪化させることがあります。このスタイルでは、あえて腕を水面近くで横に回したり、キックをゆったりとした動作にしたりして、関節へのインパクトを最小限に抑えます。

私の担当した70代の男性は、膝の痛みで歩行が困難でしたが、水中でのゆったりとしたクロールを始めてから、劇的に筋力が回復しました。彼は「泳ぐこと」そのものよりも、「水の中で動く心地よさ」を重視していました。その結果、副次的に泳力も向上したのです。

リハビリ・健康増進のためのチェックリスト
  • 痛みが出る動作は即中止:特に肩や腰の違和感には敏感になりましょう。
  • 補助具の活用:プルブイやビート板を使い、浮力を補うことで姿勢を安定させます。
  • 水中ウォーキングとの併用:クロールだけでなく、歩行と組み合わせることで全身の血流を促します。

この種類において最も大切なのは、「継続のしやすさ」です。無理なトレーニングではなく、身体を労わりながら心地よい疲れを感じるレベルを目指す。それが、長期的な健康へと繋がります。


キックの回数で劇的に変わる!2・4・6ビートの違いと選び方

クロールの種類を定義するもう一つの大きな要素が「ビート数」です。これは腕を2回回す(1サイクル)間に、キックを何回打つかという指標です。この回数設定を間違えると、エンジン(腕)とタイヤ(足)の回転数が噛み合わない車のように、非常に効率の悪い走りになってしまいます。

一般的に、ビート数が多ければ推進力は増しますが、酸素消費量も劇的に増えます。以下の表で、それぞれの特徴と推奨されるシーンを確認しましょう。

ビート数 特徴 主な用途 疲労度
2ビート 省エネ、体幹連動 長距離、トライアスロン
4ビート リズム調整、バランス型 中長距離、練習用
6ビート 最大推進力、高回転 短距離、スプリント

それぞれのビート数が持つ「独自の論理」を理解することで、あなたのクロールはより洗練されたものへと進化します。

究極の省エネ走法「2ビート」

2ビートクロールは、右腕を掻くときに左足を一回、左腕を掻くときに右足を一回打つという、対角線の連動を利用した泳ぎ方です。「キックで進む」のではなく「キックで身体を安定させ、ローテーションを助ける」という考え方が基本です。

1500mを泳ぐ競泳選手や、海を泳ぐトライアスリートにとって、2ビートは必須の技術です。足の筋肉は非常に大きく、激しく動かすとすぐに酸素を消費し、息が上がってしまいます。これを防ぐのが2ビートの役割です。

ある市民ランナーから「水泳に転向したが、どうしても息が切れる」と相談を受けたことがあります。彼の泳ぎを見ると、常にバタバタと激しく足を動かしていました。それを2ビートに矯正したところ、心拍数が劇的に安定し、30分以上楽に泳げるようになったのです。ランナー特有の「足の重さ」を、浮力に変える魔法のような瞬間でした。

2ビート習得へのアクションプラン
  1. キャッチとキックの同期:手で水を掴む瞬間に、反対側の足でトンと軽く打つ感覚を覚える。
  2. 「蹴らない」勇気を持つ:推進力は腕7:足3(あるいは足1)と割り切る。
  3. サイドキックの姿勢:横向きの姿勢を安定させるためにキックを使う練習を繰り返す。

2ビートは単なる手抜きではありません。体幹の捻りを足に伝え、一掻きの距離を伸ばすための高等技術です。これができると、クロールは『歩くこと』と同じくらい楽な有酸素運動に変わります。

マスターズ水泳日本記録保持者の視点

リズムを作りやすい「4ビート」

4ビートは、右腕1掻きに対して2回(計4回)キックを打つスタイルです。2ビートでは姿勢が安定せず、6ビートでは疲れすぎるという人にとって、「ちょうどいい」リズムを提供してくれるハイブリッドな泳ぎと言えます。

実生活で例えるなら、4ビートは「ジョギング」のようなリズム感です。左右のタイミングが均等ではないため、少しトリッキーに感じるかもしれませんが、一度身につけると、特に中距離(200m〜400m)で威力を発揮します。

私が指導した中高生の選手たちも、距離によってビート数を切り替える練習の一環として4ビートを多用します。片方のキックを少し強め、もう片方を添えるだけにする「変則4ビート」は、特に呼吸をしない側の姿勢維持に役立ちます。

4ビートをマスターするための練習法
  • タタン、タタンのリズム:メトロノームや頭の中でリズムを刻みながら、強弱をつけてキックを打つ。
  • 片手クロールでの導入:片方の腕だけを動かし、その間に2回キックを打つ練習を行う。
  • 呼吸動作との連携:呼吸をする瞬間の沈み込みを、2回目のキックで押し上げる感覚を掴む。

4ビートは、自分の泳ぎが「バラバラだ」と感じている人にとっての矯正ギプスのような役割も果たしてくれます。リズムが整うことで、無駄な力みが消えていくのが実感できるはずです。

スプリントと加速の「6ビート」

6ビートこそ、多くの人が「クロール」と聞いてイメージする、激しい水しぶきを上げるダイナミックな泳ぎです。1ストロークに対して3回キックを打ち、常に最大出力を出し続けるスプリント専用の種類です。

50mや100mの自由形では、この6ビートが標準装備となります。一瞬の油断も許されない短距離レースでは、キックを止めると姿勢が崩れ、水の抵抗をまともに受けてしまうからです。常にエンジンを全開にし、水面を滑走する感覚が必要です。

マスターズ大会で「どうしても30秒を切りたい」と願う50代の男性スイマー。彼は長年2ビートで泳いでいましたが、ラスト15mだけ6ビートに切り替える「ギアチェンジ」の練習を取り入れました。結果、後半の失速を防ぎ、悲願の20秒台を達成。6ビートは諸刃の剣ですが、使いどころを見極めれば最強の武器になります。

6ビート強化のステップ
  1. 板キックのスピード強化:まずは足単体で、腕の回転に負けない速いキックを打てるようにする。
  2. アンクルストレッチ:足首の柔軟性を高め、ムチのようにしなるキックを習得する。
  3. ハイピッチストローク:腕の回転を上げ、それに足のタイミングを無理やり合わせていく「オーバースピード練習」。

6ビートは筋力ではなく『反射』で打つものです。考える前に足が動いている状態まで追い込む必要があります。ただし、フォームが崩れた状態で6ビートを打つと、単なる『足のバタつき』になり、ブレーキになってしまうので注意が必要です。

競泳ナショナルチームコーチの視点


腕の回し方(リカバリー)で見極める!ストレートとベントアーム

クロールの種類を語る上で、キックと並んで議論されるのが「腕の戻し方(リカバリー)」です。水中で水を掻き終えた後、どのようにして腕を前方に持ってくるか。この「空中戦」のスタイルによって、肩への負担や推進力の持続性が大きく変わります。

大きく分けて、肘を高く曲げて運ぶ「ベントアーム(高肘)リカバリー」と、腕を伸ばしたままダイナミックに回す「ストレートアームリカバリー」の2種類が存在します。それぞれの特性を以下の表で整理しました。

リカバリー名 形状 メリット 向いている人
ベントアーム 肘を曲げる 肩への負担が少ない、安定感 日本人、初心者、長距離
ストレートアーム 腕を伸ばす 回転数が上がる、強い遠心力 短距離選手、筋力が強い人

「どちらが正しいか」ではなく、自分の身体の特性にどちらがフィットするか、という視点で深掘りしていきましょう。

遠心力を推進力に変える「ストレートアーム」

ストレートアームは、腕を真っ直ぐ伸ばした状態で、円を描くように大きく回すスタイルです。腕の重さを利用した遠心力を、入水時の勢いと推進力に変換することを得意とします。主に、海外の強力なスプリンターによく見られる種類です。

この泳ぎの最大の魅力は、ピッチ(腕の回転速度)を上げやすいことにあります。肘を曲げるという余分な動作を省くため、コンマ数秒を争う場面で非常に有利に働きます。

実際に私のレッスンを受けた、ラグビー経験のあるパワー自慢の男性。彼は柔軟性が低く、肘を高く上げる動作が苦手でした。そこで思い切ってストレートアームを提案したところ、肩の詰まりが解消され、まるで水車のように力強い泳ぎに激変。彼の持つパワーを、遠心力という物理的な力に上手く変換できた好例です。

ストレートアームのアクションプラン
  • 肩甲骨の可動域確保:腕を回す際、肩先だけでなく肩甲骨から大きく動かす意識を持つ。
  • 叩きつけない入水:勢い余って水面を叩くとブレーキになるため、指先から鋭く差し込む。
  • 体幹の固定:腕の大きな振りに身体が振り回されないよう、腹圧をしっかりかける。

ただし、このスタイルは肩関節への負荷が非常に大きいため、ケアを怠るとすぐに「スイマーズショルダー(肩の障害)」を招くリスクがあります。自分の筋力と相談しながら取り入れるべき「プロ仕様」の泳ぎと言えるでしょう。

日本人に最適な「高肘(ベントアーム)」

ベントアームリカバリーは、日本の水泳指導において最も一般的で、かつ「美しい」とされるフォームです。脇を締め、肘を頂点にして腕をコンパクトに運ぶことで、無駄なエネルギー消費を抑えることが可能です。

日本人は欧米人に比べて筋力が控えめな一方で、丁寧な動作を得意とする傾向があります。ベントアームは、腕を水面に近い位置で最短距離で運べるため、長時間の遊泳においても疲れにくく、リカバリー中に筋肉を休ませる「リラックス局面」を作りやすいのが特徴です。

ある女性マスターズスイマーは、腕を振り回すクセのせいで後半になると腕が上がらなくなっていました。彼女に「肘から先を糸で吊るされているようなイメージ」でリカバリーするように助言したところ、動作が劇的にコンパクトになり、ラストまで力強いストロークを維持できるようになりました。

理想的なベントアームを作るステップ
  1. ジッパー練習:親指で自分の身体の横にジッパーがあると思い、それをなぞるように腕を上げる。
  2. 肘の先行:手が肘よりも先に前に出ないよう、肘でリードして腕を運ぶ。
  3. 脱力のリズム:水面上にある時は完全に腕の力を抜き、入水直前から力を入れ始める。

ベントアームは、精密機械のような泳ぎです。肘の角度、手の平の向き、入水のポイント。これらが一致した時、クロールは芸術的なまでに効率化されます。まずはこのスタイルを基礎として習得することを強くお勧めします。

JOC認定コーチの解説

状況に応じて使い分けるハイブリッド型

現代のトップレベルの泳ぎでは、これら2つを融合させた「ハイブリッド型」も注目されています。例えば、呼吸をする側は大きく回し、しない側はコンパクトに曲げるといった、左右非対称のリカバリーです。

また、練習の序盤はベントアームで体力を温存し、ラストスパートや追い抜きの瞬間だけストレートアームに切り替えて出力を上げるといった使い分けも非常に有効です。泳ぎの種類を固定せず、状況に応じて変幻自在にフォームを変化させるのが、真の上級者への道です。

例えば、波が高いOWS会場では、低いベントアームだと波に手が引っかかってしまいます。そのような時は、ストレートアーム気味に高く腕を回すことで、障害物を回避しつつ推進力をキープします。このように「知識」として種類を知っていれば、現場での対応力が格段に上がります。

自分にどのスタイルが合うか迷った時は、まずは両方を試してみてください。どちらの方が「呼吸が楽か」「肩が動かしやすいか」。その直感こそが、あなたにとっての正解である可能性が高いのです。


あなたに最適なクロールの種類を判定するガイド

ここまでクロールの種類について、目的、ビート数、腕のリカバリーという3つの観点から解説してきました。しかし、読者の皆様の中には「結局、自分にはどの組み合わせが一番合っているのだろう?」と迷われている方も多いはずです。

泳ぎのスタイルを選ぶことは、自分にぴったりのスーツを仕立てる作業に似ています。既製品(教科書通りの泳ぎ)をそのまま着るのではなく、自分の「体型(筋力)」「柔軟性」「泳ぐ距離」に合わせてカスタマイズする必要があるのです。

そこで、あなたの現在の状況から最適なクロールの種類を導き出すための、セルフ判定ガイドを用意しました。以下の項目で自分に当てはまるものが多いタイプを、あなたの「ベーススタイル」として設定してみてください。

タイプ別・クロール適性チェック
  • タイプA(持久力重視):筋力よりもスタミナに自信がある。1km以上泳ぎたい。身体が硬い方だ。
  • タイプB(スピード重視):瞬発力がある。50m〜100mのタイムを上げたい。肩の柔軟性が高い。
  • タイプC(オールラウンダー):健康維持が目的。まずは綺麗なフォームで泳げるようになりたい。

判定はいかがでしたか?ここからは、それぞれのタイプに向けた「究極の組み合わせ」を具体的に提示していきます。この指針を持つだけで、日々の練習の迷いが消え、成長のスピードが加速します。

初心者がまずマスターすべき「基本の1種類」

水泳を始めたばかりの方や、25mを泳ぎ切るのが精一杯という方は、「6ビート × ベントアーム」の組み合わせからスタートすることをお勧めします。これは一見、上級者向けに思えるかもしれませんが、実は最も理に適った「学びの順序」なのです。

初心者の最大の敵は「下半身の沈み」です。2ビートのような省エネ泳法は、高い浮力維持能力がなければ成立しません。まずは6ビートで足を絶え間なく動かすことで腰を浮かせ、安定した水面の滑走感を身体に覚え込ませる必要があります。

私のスクールに通い始めた60代の男性は、当初「2ビートが楽だと聞いた」と、足を使わない泳ぎを練習していました。しかし腰が沈んで水の抵抗を受け、かえって疲弊していました。彼に6ビートを指導したところ、姿勢が安定し、一気に50mを完泳。基本の6ビートこそが、上達への最短距離だったのです。

基本スタイル習得の3ステップ
  1. ビート板キックで姿勢を作る:呼吸をしても腰が落ちないキック力を養う。
  2. コンパクトな腕の回転:ベントアームで、顔の近くに入水させる意識を持つ。
  3. 「1、2、3」のリズム:腕を一掻きする間に、足を3回打つリズムを口に出しながら泳ぐ。

初心者がいきなり『楽な泳ぎ』を目指すのは危険です。まずは『正しい姿勢を維持できる泳ぎ』を身につけること。その基礎があって初めて、将来的に2ビートなどのバリエーションに移行できるのです。

水泳インストラクターの指導論

1kmを楽に泳ぎたい人のための「省エネ構成」

すでに25m〜50mは余裕で泳げるようになり、次は「1kmをノンストップで泳ぎたい」「トライアスロンの完走を目指したい」という方には、「2ビート × ベントアーム」の省エネ構成がベストマッチします。

長距離泳のコツは、心拍数を上げないことに尽きます。そのためには、大きな筋肉である太ももを酷使する6ビートは卒業し、最小限のキックで身体のバランスを取る2ビートへ移行する必要があります。腕のリカバリーもベントアームで行い、水面上では徹底的に筋肉を弛緩させます。

あるトライアスリートの女性は、この「省エネ構成」を習得したことで、レース後のバイク(自転車)への足の疲労残りが劇的に改善しました。「泳ぎ終わっても足が軽い!」と喜ぶ彼女の姿は、まさに戦略的なスタイルの選択が勝利を導いた瞬間でした。

要素 省エネ構成のポイント 得られるメリット
キック 2ビート(腰を浮かすだけ) 酸素消費の大幅な抑制
リカバリー 高肘(ベントアーム) 肩周りの疲労蓄積を防止
呼吸 3回に1回の左右交互 身体の歪みを防ぎ、直進性向上

この構成では、「水に身を任せる」という感覚が重要になります。無理に水を掻こうとせず、一掻きでどれだけ遠くに滑っていけるかを追求してください。それが、結果として1kmを楽に泳ぎ切る唯一の方法です。

タイムを1秒でも縮めたい人の「攻めの構成」

「マスターズ大会でベストを更新したい」「誰よりも速く泳ぎたい」という野心的なスイマーには、「6ビート × ストレートアーム」の攻めの構成を提案します。これは身体能力を限界まで引き出し、推進力を最大化するための種類です。

短距離レース(50m・100m)では、1ストロークの重みと回転数が勝負を分けます。ストレートアームで強烈な遠心力を生み出し、それを逃さず水に伝える。そして、間髪入れずに6ビートで爆発的な加速を加える。この同期が完璧に決まった時、水面を切り裂くようなスピードが生まれます。

以前指導した高校生選手は、後半の失速を恐れて2ビート気味に泳いでいました。しかし、フォームをストレートアームの6ビートに変え、心肺機能の限界を攻める練習を繰り返した結果、100mのタイムを2秒以上短縮。恐怖心を「攻めの姿勢」に変えたことが、壁を突き破る原動力となりました。

攻めの構成を支えるチェックリスト
  • 体幹(コア)の剛性:激しいキックと腕の回転に耐えうる強い腹圧があるか。
  • ハイピッチ耐性:1分間に60回以上のストロークを維持できるか。
  • クイックターンとの連携:壁際での減速を防ぎ、ドルフィンキックで加速を繋げられるか。

このスタイルは肉体的な代償も大きいですが、得られるスピード感は他のどの種類でも味わえません。自分の限界に挑戦したいスイマーにとって、これほど魅力的な泳ぎはないでしょう。ただし、十分なアップとアフターケアをセットで行うことを忘れないでください。


クロールのバリエーションを増やすためのドリル練習法

自分に合ったクロールの種類が見つかったら、次はそれを「無意識に」実行できるように身体に染み込ませる必要があります。泳ぎの種類を自在に操るためには、フォームを細分化して練習する「ドリルメニュー」が欠かせません。

単に長い距離を泳ぐだけの練習では、どうしても自分の「癖」が出てしまい、フォームの改善が進みません。ドリル練習によって、水の捉え方、身体の使い方のスイッチを切り替える訓練を行いましょう。ここでは、特に効果の高い3つのドリルを厳選しました。

練習名 主な効果 意識するポイント
片手クロール 左右バランス・キャッチ強化 使わない方の手は前で固定
スカーリング 水感(水を掴む感覚)の向上 手の平で水圧を常に感じる
フィンスイム スピード体験・姿勢矯正 足首をリラックスさせる

これらのドリルを練習の序盤(メインメニューの前)に取り入れることで、神経系が刺激され、メイン練習でのフォームの質が劇的に向上します。

左右のバランスを整える「片手クロール」

クロールの種類を問わず、最も重要なドリルの一つが「片手クロール」です。左右別々に動かすことで、自分の泳ぎの弱点(左右差)を顕著に炙り出すことができます。

例えば、右腕はスムーズに回るのに、左腕になると呼吸が苦しくなったり、沈んでしまったりすることはありませんか?多くの人は、利き手や身体の歪みによって、左右で全く異なる泳ぎをしています。片手クロールは、この歪みを矯正し、均整の取れたフォームを作るための「鏡」のような練習です。

あるベテランスイマーは、左手のキャッチが外側に逃げる癖がありました。彼は毎日、左手だけの片手クロールを50m×4本、徹底して行いました。意識を左手に集中させることで、数週間後には両手で泳いだ時も「左右均等に水を押している感覚」を手に入れることができたのです。

片手クロールの正しい手順
  1. 基本姿勢:一方の手を前に伸ばし、ビート板を持つか、あるいは手だけで安定させる。
  2. シングルストローク:動かす方の手で、丁寧にキャッチ、プル、プッシュを行う。
  3. ローテーションの確認:肩の入れ替えがスムーズに行われているか、呼吸のタイミングと同期させる。

片手クロールは、自分の泳ぎを客観視するための最高のツールです。この練習でできない動きは、両手で泳いだ時にも絶対にできていません。地味な練習ですが、上級者ほどこのドリルの精度にこだわります。

オリンピック代表候補コーチの格言

水を捉える感覚を研ぎ澄ます「スカーリング」

どの種類のクロールでも共通して必要なのが、手の平や前腕で水を「捕まえる」能力です。これを養うのがスカーリングです。腕を大きく回さず、小さな動作で水の重みを感じ続けることで、水感(ウォーターフィーリング)を極限まで高めます。

水泳で「力んでいるのに進まない」原因の多くは、水が手から逃げてしまっている(空を切っている)ことにあります。スカーリングは、水がどこにあるのか、どの角度で押せば最も重い手応えがあるのかを脳に学習させます。

私が指導したジュニア選手たちには、練習の合間に必ずスカーリングをさせます。最初は進むことすらままならない子たちも、コツを掴むと、手の平を少し動かすだけで身体がグングン前に進むようになります。この「水を捉える魔法」が、全種類の泳法における推進力の源泉となります。

スカーリングで意識すべきチェックポイント
  • ∞(無限大)の字を描く:手の平を外側と内側に交互に向けながら、水を撫でるように動かす。
  • 肘を固定する:肘が動いてしまうとパワーが逃げるため、肘から先だけを動かす意識を持つ。
  • 水圧を逃さない:動かしている間、常に手の平に「重い水」が乗っている感覚を維持する。

スカーリングは非常に繊細なドリルです。最初はフロント(前方)、次にミドル(身体の下)、最後にリア(腰の後ろ)と、異なるポジションで行うことで、ストローク全体の水感を網羅的に鍛えることができます。

道具(パドル・フィン)を活用した矯正術

自分の感覚だけでは限界がある場合、道具の力を借りるのが賢い選択です。特にフィン(足ひれ)やパドル(手板)は、泳ぎの種類を強制的に正しい方向へ導いてくれる強力なコーチとなります。

例えばフィンを履くと、推進力が大幅に増すため、身体が自然と水面に浮き上がります。この「高い位置」で泳ぐ感覚を身体が覚えると、フィンを脱いだ後もその姿勢を維持しやすくなります。また、パドルを使えば手の平の面積が増えるため、水の抵抗が嫌でも分かりやすくなり、フォームの乱れが即座に自覚できます。

私のレッスンでは、2ビートの習得にフィンを活用することがあります。フィンを履いて大きくゆっくりとキックを打つことで、腕とのタイミングを合わせやすくするのです。道具は「楽をするため」ではなく、「正しい感覚を増幅させるため」にあると考えてください。

道具活用のステップアップ
  1. フィンで姿勢を固定:まずはフィンを使い、最高のストリームラインを体感する。
  2. パドルでキャッチ強化:パドルを使い、水に指先が負けない強さを養う。
  3. 道具を外して再現:道具を使った時の感覚を、素手・素足の状態でどれだけ再現できるか試す。

道具を使いすぎると「道具がなければ泳げない」身体になってしまうため、全体の練習量の2〜3割に留めるのがコツです。しかし、使いこなせれば、あなたのクロールは一気に洗練されたものへと進化するでしょう。


まとめ:クロールの種類を知れば水泳はもっと自由になる

ここまで、クロールの多様な種類とその選び方、習得法について詳しく解説してきました。クロールは決して単一の泳ぎ方ではありません。それは、状況や目的に合わせて柔軟に形を変える「変幻自在な技術」なのです。

種類を知るということは、自分の可能性を広げるということです。2ビートを覚えれば長い距離を旅することができ、6ビートを極めれば爆発的なスピードを手に入れられます。ベントアームはあなたの身体を労わり、ストレートアームはあなたの力強さを引き出します。

大切なのは、「今の自分」に最適な種類はどれかを問い続け、変化を恐れないことです。年齢、体力、目標が変われば、泳ぎの種類も変わって当然です。その時々に最適なスタイルを選択できるスイマーこそが、生涯を通じて水泳を楽しめる「真の愛好家」と言えるでしょう。

本記事の重要ポイントまとめ
  • クロールには「競泳」「フィットネス」「OWS」「リハビリ」の4大スタイルがある。
  • キックの回数(2・4・6ビート)は、「目的と持久力」に合わせて選択する。
  • リカバリー(腕の戻し方)は、「柔軟性とピッチ」の兼ね合いで決める。
  • ドリル練習(片手、スカーリング等)を欠かさず、「水感」を常にアップデートする。

自分のスタイルに自信を持つことの大切さ

水泳の練習をしていると、隣のコースで自分より速く泳いでいる人のフォームが気になり、つい真似したくなることもあるでしょう。しかし、その人の泳ぎがあなたにとっての正解とは限りません。その人は短距離の選手かもしれませんし、あるいは特定の柔軟性を持っているからこそ成立しているフォームかもしれません。

この記事で学んだ知識を土台に、自分自身の感覚を信じてください。「今日は2ビートの方がしっくりくる」「この腕の角度だと肩が痛くない」。そんな身体からの小さなサインに耳を傾けることが、オリジナルの「最強スタイル」を完成させる近道です。

誰かの模倣ではなく、自分の身体と対話しながら作り上げた泳ぎには、強さと美しさが宿ります。あなたがプールで、あるいは海で、自分らしいクロールを悠々と泳ぐ姿を楽しみにしています。

次のステップへのアクションプラン
  • 次回の練習で「2ビート」と「6ビート」を50mずつ泳ぎ比べてみる。
  • 自分のリカバリーを動画で撮り、「ベント」か「ストレート」か客観視する。
  • メイン練習の前に必ず「スカーリング」を25m×2本取り入れる。

クロールの種類を理解し、使い分けることができれば、水泳は今よりもっと自由で、もっと楽しいものになります。さあ、明日からの練習で新しい自分に出会いにいきましょう!

連続不合格』をプロの個別指導で抜け出す

「なぜうちの子だけ受からないの?」そんなママ・パパの悩みを『水泳の家庭教師』が解決します。スイミングでは見落とされるお子様特有の「小さなクセ」を取り除き、お子様の笑顔と合格を最短で叶えます。

\人気コーチの予約が埋まってしまう前に/

全国どこでも対応可能

目次