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勝利を掴む水泳部練習メニューの作り方|タイムを縮める科学的アプローチ

連続不合格』をプロの個別指導で抜け出す

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目次

水泳部における効果的な練習メニュー構築の基本理論

水泳部で日々繰り返される練習において、単に距離を泳ぐだけではベストタイムの更新は望めません。
多くのチームが陥る罠は、強度の設定が曖昧なまま「なんとなく」メニューをこなしてしまうことにあります。

勝利を掴むための第一歩は、身体のエネルギー供給系を正しく理解し、科学的根拠に基づいてメニューを設計することです。
この記事では、主将やマネージャーが迷わずに最強のメニューを作れるよう、その核心に迫ります。

エネルギー供給系から逆算する練習強度の設定

水泳のパフォーマンスは、主に3つのエネルギー供給系によって支えられています。
それぞれの系統をバランスよく、あるいは時期に合わせて特化して刺激することが、効率的な能力向上に不可欠です。

例えば、400m自由形の選手がスプリント練習ばかりしていても、後半の粘りは生まれません。
逆に、持久系練習ばかりでは、スタート直後の爆発的なスピードを維持する筋力が養われないのです。

ある強豪校のメニュー作成担当者は、かつて「とにかく追い込めば強くなる」と信じて、毎日限界までのインターバルを課していました。
しかし、部員たちは慢性的な疲労に陥り、肝心の大会でタイムを落とす結果となってしまったのです。
この失敗から学んだのは、「適切な強度(Intensity)のコントロール」こそが練習の質を決めるという真実でした。

以下の表は、一般的に水泳界で用いられる練習強度(EN1〜SP3)と、その目的をまとめたものです。
この基準を部内で共有し、今日のメインは何を狙っているのかを明確にしましょう。

強度レベル 目的 心拍数(目安/10秒) 主な効果
EN1(Endurance 1) 有酸素ベースの構築 22〜24拍 毛細血管の発達、基礎体力の向上
EN2(Endurance 2) AT(無酸素性作業閾値)向上 25〜27拍 乳酸が溜まり始めるギリギリの持続力
EN3(Endurance 3) 乳酸耐性・最大酸素摂取量 28〜30拍 レース後半の粘り、心肺機能の最大化
SP1(Sprint 1) 乳酸産生・パワー向上 MAX 400m/200mのスピード維持能力
SP2/3(Sprint 2/3) 爆発的スピード・神経系 MAX 50m/100mの最高速度と瞬発力
専門家の視点:心拍数測定の重要性

練習直後の10秒間の心拍数は、その練習が狙い通りの強度であったかを示す最も客観的な指標です。
マネージャーはストップウォッチでタイムを測るだけでなく、部員の心拍数を抜き打ちでチェックし、強度のズレを修正する役割を担いましょう。

1週間のサイクル(マイクロサイクル)の設計法

人間の身体は「過負荷」と「回復」のサイクルを経て強くなります。
月曜日から土曜日まで毎日ハードなメインセットを組み込むのは、科学的には逆効果です。

理想的なのは、1週間をひとつの単位(マイクロサイクル)と捉え、波を作る構成です。
「強・弱・強・休・強・強」のように、神経系や筋肉を休ませる日を作ることで、ハードな日に100%の出力が可能になります。

かつて私の指導したチームでは、水曜日を「アクティブレスト(積極的休養)」の日として、ドリルとストレッチのみに限定しました。
導入当初は「練習量が減る」と不安がる部員もいましたが、結果として木曜日以降のメインセットの質が劇的に向上したのです。
集中力が切れた状態で10,000m泳ぐよりも、フレッシュな状態で質の高い2,000mを泳ぐ方が、レースには直結します。

効果的な1週間のサイクルを構築するための具体的なステップを以下に示します。

  1. 大会日から逆算して今週のテーマを決める
    今週は「距離を稼ぐ週」なのか「スピードを磨く週」なのかを明確にします。
  2. 「ポイント練習」の日を2〜3日設定する
    最も強度の高いメインセットを行う日を決め、その前後は強度を落とします。
  3. リカバリー(回復)のタイミングを確保する
    週の半ばに技術練習(ドリル)中心の日を入れ、疲労の蓄積を防ぎます。
  4. 土曜日に「メインの総仕上げ」を行う
    部活動の締めくくりとして、最もチームが盛り上がるセット(ブロークンなど)を配置します。
1週間のメニューを組む際は、部員の学業スケジュールや睡眠時間も考慮してください。
テスト期間前後のメニュー強度を適切に調整することも、怪我を防ぎ継続的な成長を促すための重要な戦略です。

2時間の練習時間を最大限に活かすためには、メニュー内の時間配分を黄金比に近づける必要があります。
メインセットだけが重要だと思われがちですが、そこに至るまでの「準備」が結果を左右します。

理想的な配分は、W-up(20%)、Kick/Pull(25%)、Drill(10%)、Main(35%)、Down(10%)です。
この構成を守ることで、身体を徐々に戦闘状態へと導き、メインで最高のパフォーマンスを発揮できます。

特に見落とされがちなのが「Drill(ドリル)」の時間です。
KickやPullで心肺機能を高めた後、メインに入る直前に「良いフォーム」を確認する作業を挟まないと、疲れた状態で崩れたフォームを定着させることになりかねません。
「速く泳ぐ練習」の前に「正しく泳ぐ練習」を挟むことが、長期的な伸び代を担保します。

【実践】理想的な2時間練習(5000m想定)の時間構成
  • W-up (20分 / 800m):ゆっくりと関節を動かし、体温を上昇させる。
  • Kick / Pull (30分 / 1200m):脚と腕の出力を個別に高め、心拍数を徐々に上げる。
  • Drill (15分 / 400m):キャッチの感覚やストリームラインを1つだけ意識する。
  • Main (40分 / 2000m):その日の目的(EN3やSP1など)に沿ったメインセット。
  • Down (15分 / 600m):乳酸を除去し、心拍数を20拍以下まで戻す。

練習の最後に行う「ダウン(Loosen/Down)」を疎かにする部員は多いですが、これは次回の練習の質を下げる行為に他なりません。
「ダウンまでがメインセット」という意識を徹底させることが、強豪チームへの近道となります。

【目的別】スピードとスタミナを極めるメインセットのバリエーション

水泳部において、メインセットは最も苦しく、かつ最も楽しい時間であるべきです。
目的を明確にしたセットを提示することで、部員のモチベーションを最大化できます。

「なぜこの本数なのか」「なぜこのサークルなのか」を説明できるメニューを用意しましょう。
ここでは、スプリント力、乳酸耐性、持久力の3軸に絞った、即戦力となるメニュー例を紹介します。

絶対的なスプリント力を養う「高強度・長レスト」メニュー

50mや100mのタイムを縮めるためには、神経系を刺激し、最大出力を引き出す練習が必要です。
スプリント練習の鉄則は、「完全に回復した状態で、100%以上の力で泳ぐこと」にあります。

多くの部活動で見られる間違いは、レスト(休息)が短すぎることです。
1分程度の短い休みでは、筋肉内のATP(エネルギー源)が回復せず、結局80〜90%の出力でダラダラ泳ぐことになってしまいます。
スプリント練習では、50mに対して3分〜5分の長いレストを設けることも珍しくありません。

あるインターハイ出場選手は、冬期の間あえて本数を減らし、1本1本の質を極限まで高める練習に取り組みました。
結果として、後半の失速が課題だったにも関わらず、前半のスピードが底上げされたことで余裕が生まれ、トータルタイムの大幅更新に繋がったのです。

【推奨メニュー:スプリント・パワー】

25m × 8本 × 2セット (サークル 1:30 / セット間レスト 5:00)
・1セット目:奇数本MAX / 偶数本Easy
・2セット目:全本数ハイパーMAX(ダイブ込み)

ポイント:呼吸回数を制限し(1回以下)、壁を蹴る強さ、浮き上がりの鋭さに全神経を集中させる。

専門家のアドバイス:神経系の疲労に注意

スプリント練習は心肺機能よりも「神経系」を酷使します。
タイムが落ち始めたら、その日の練習を打ち切る勇気も必要です。質が低い状態でMAX練習を続けても、悪い動きを記憶するだけになってしまいます。

後半の粘りを生む「乳酸耐性(EN3)」強化プログラム

200m以上の種目で、ラスト50mに身体が動かなくなる感覚を誰もが経験したことがあるはずです。
これは体内に蓄積された乳酸により、筋肉の収縮が阻害されるために起こります。

乳酸耐性練習の目的は、この「地獄のような苦しさ」の中で、いかにフォームを崩さず、高いピッチを維持できるかを脳と体に教え込むことにあります。
精神的なタフネスも要求されるため、チーム全体で声を掛け合い、盛り上げることが成功の鍵です。

乳酸耐性を高める「EN3」の練習では、心拍数を限界まで上げ、かつ短いレストで次の本数に挑みます。
この際、マネージャーは1本ごとのラップタイムの変化を大きな声で部員に伝え、集中力を切らさないようにサポートしてください。

  • ラップの維持:1本目からラストまで、タイムの落ち幅を3秒以内に抑える。
  • ストローク長の意識:疲れてくるとストロークが短くなるため、あえて大きく泳ぐ。
  • 呼吸の安定:パニックにならず、大きく深い呼吸を意識して酸素を取り込む。
  • ターンの鋭さ:最も疲れるターンの局面で、壁を強く蹴る意識を忘れない。

典型的なメニューとしては「100m × 10本 (サークル 2:00〜2:30 / Hard)」などが挙げられます。
サークルを少し長めに設定し、高い強度を維持し続けることが、乳酸耐性向上の近道です。

持久力のベースを底上げする「インターバルトレーニング」の真髄

競泳の基礎は、やはり有酸素能力(持久力)にあります。
インターバルトレーニングは、心肺機能を強化し、一定のスピードで長く泳ぎ続ける能力を養います。

重要なのは「目標とするサークル設定」です。
楽に回れるサークルではなく、あと5秒短かったら回れないという「絶妙な負荷」を見極める必要があります。

以下の表を参考に、部員のレベルに合わせたインターバル設定を行ってみてください。
基準となるのは、個人の400m自由形のベストタイムを4で割ったタイムに、5〜10秒加えたサークルです。

レベル 100mインターバル本数 目標サークル(Fr) レストの目安
初心者・中学生 10本〜15本 1:45〜2:00 15〜20秒
高校生・中堅 15本〜20本 1:20〜1:35 10〜15秒
全国大会レベル 20本〜40本 1:10〜1:15 5〜10秒
持久系練習は単調になりがちです。200m×10本にするのか、400m×5本にするのか、はたまた「100m×4本 + 200m×1本」のセットを繰り返すのか、変化を加えることで飽きを防ぎましょう。

技術向上を加速させるドリル練習とフォーム矯正の重要性

どれだけエンジンの出力(心肺機能)を上げても、船体(フォーム)の抵抗が大きければスピードは出ません。
水泳は「抵抗との戦い」と言われるほど、技術がタイムに直結するスポーツです。

ドリル練習を単なる「流し」の時間にせず、明確なテーマを持って取り組むことで、泳ぎの効率は劇的に改善します。
ここでは、すべての種目に共通する「感覚」を研ぎ澄ますためのメソッドを解説します。

水を捉える感覚(スカーリング)を研ぎ澄ますメソッド

「水が重い」「水が引っかかる」という感覚を持てているでしょうか?
スカーリングは、手のひらだけでなく前腕全体で水を感じ、捉えるための必須練習です。

多くの部員が「ただ手を左右に振っているだけ」になっています。
これでは揚力を生むことができず、推進力に繋がりません。
スカーリングで最も大切なのは、手首の角度を微調整しながら、常に「最も圧力が高いポイント」を探し続けることです。

スカーリングをマスターするためのステップを紹介します。

  1. フロントスカーリング
    腕を前に伸ばした状態で、肩幅より少し広い範囲で8の字を描く。水の抵抗を手のひらで感じ取る。
  2. ミドルスカーリング
    肘を曲げ、胸の下あたりで水をかく。キャッチからプルへの移行期に最も力がかかる部分を意識する。
  3. フィニッシュスカーリング
    太ももの横で水を押し出す。最後の一押しまで水を逃さない感覚を養う。
  4. コンビネーション
    各ポジションのスカーリングを4回ずつ行いながら、最後は普通のスイムに繋げる。
専門家の視点:道具の活用

感覚が掴みづらい場合は「パドル」や「フィン」を外して、素手で行うのが基本です。
あえて指を少し開いて泳ぐことで、指の間を通る水の感触に敏感になる練習も効果的です。

抵抗を最小限に抑えるストリームラインの再構築

壁を蹴った後の数秒間、あなたは時速10km以上の猛スピードで進んでいます。
この「最も速い瞬間」にどれだけ抵抗を減らせるかが、その後のラップタイムを左右します。

ストリームラインは、単に手を重ねて伸ばすだけではありません。
「肋骨を締め、おへそを背骨に引き寄せ、頭を二の腕の間に挟み込む」という三次元的な意識が必要です。

ある強豪チームでは、練習の合間に必ずプールサイドで「陸上ストリームライン」を確認します。
水の中では浮力が働くため、自分の姿勢が反っているかどうかに気づきにくいからです。
陸上でできない姿勢は、水の中でも絶対にできません。

  • 手の重ね方:利き手を上にするか、指を絡めるか、自分にとって最も細くなれる形を追求する。
  • 視線の位置:真下を向くのではなく、斜め前を向いていないかチェック。後頭部で二の腕を抑える。
  • 足首の柔軟性:足の甲が水流を受けないよう、つま先まで真っ直ぐ伸ばす。
  • 体幹の締め:肺に空気を入れすぎると腰が反りやすいため、適度な抜気と腹圧の維持を意識。

4泳法別・効率的なパワー伝達を可能にするドリル集

種目ごとに強化すべきポイントは異なります。
漫然とドリルを行うのではなく、「今、どの局面の練習をしているのか」を意識させましょう。

例えば、バタフライなら「第2キックのタイミング」、平泳ぎなら「キック後のグライド」など、その種目の心臓部となる動作にフォーカスを当てます。
「ドリルでできた動きをスイムに繋げる」ためのブリッジング(橋渡し)練習が、技術定着の鍵となります。

種目別おすすめドリル・ミニまとめ
種目 おすすめドリル 意識するポイント
自由形 片手スイム 左右のローリングバランスと入水角度
背泳ぎ L字ドリル 肩を起点とした大きな回旋と水の上滑り防止
平泳ぎ 2キック1プル 高い腰の位置の維持と足の引きつけの速さ
バタフライ 片手バタフライ うねりと呼吸のタイミングを同調させる

ドリル練習の際は、ペアを組んでお互いのフォームを撮影し合うのも非常に有効です。
自分の脳内イメージと実際の映像のズレを認識することが、技術革新の第一歩になります。

メンタルとフィジカルを統合するテーパリングと試合期の調整

練習でどれほど強靭な肉体と技術を作り上げても、それが試合当日に発揮できなければ意味がありません。
多くの選手が「練習では速いのに本番でタイムが出ない」という悩みを抱えていますが、その原因の多くは調整(テーパリング)の失敗にあります。

テーパリングとは、単に練習量を落とすことではなく、疲労を抜きながら「パフォーマンスの出力」を最大化させる高度な戦略です。
ここでは、科学的な理論に基づいたピーキングの方法と、試合当日のメンタルコントロールについて深掘りします。

大会当日にピークを合わせる「ピーキング」のメカニズム

ピーキングの核心は「超回復」のコントロールにあります。
激しい練習によって一時的に低下した身体能力が、適切な休息を経て、元のレベルを超えて回復する現象を狙い撃ちするのです。

かつて、ある強豪校のキャプテンは、大会前になると不安から練習量を増やしてしまう癖がありました。
「泳がないと感覚が狂う」という強迫観念に駆られ、結局、身体が重いまま当日を迎えていたのです。
しかし、コーチの助言で「練習量を50%まで落とし、その代わり強度はレースペースを維持する」というテーパリングを実践したところ、ベストタイムを2秒も更新しました。

大事なのは、練習の「量(Volume)」は減らしても「質(Intensity)」は落とさないことです。
神経系に「速く動く」という刺激を与え続けながら、筋肉と内臓の疲労だけを計画的に取り除いていきます。

【実践】試合2週間前からのボリューム調整ガイド

テーパリングの成功率は、事前の計画性で決まります。以下の推移を基本モデルとしてください。

  • 14日前〜8日前:総距離を通常の70〜80%に抑制。メインセットは短く鋭く。
  • 7日前〜3日前:総距離を通常の50%に抑制。レース前半の入りを意識したスピード練習。
  • 2日前〜前日:総距離を通常の30%以下。フォームの確認とダイブ練習1〜2本のみ。
専門家の視点:グリコーゲン・ローディングの罠

試合前に炭水化物を多く摂る「カーボローディング」は有名ですが、水泳のような短時間〜中時間の競技では、過度な摂取は身体を重くするリスクがあります。
普段通りの食事を心がけ、消化に良いものを中心に、エネルギー源を「満たしておく」程度にするのがベストです。

プレッシャーを力に変えるレース分析と目標設定術

試合会場の独特な緊張感の中で、練習通りの泳ぎをするためには「具体的なイメージ」が不可欠です。
「頑張る」という抽象的な言葉ではなく、数字に基づいた具体的な戦略が、パニックを防ぐ盾となります。

例えば、100mのレースであれば、前半の50mを何秒で入り、後半の落ち幅を何秒以内に収めるか。
このスプリットタイムのシミュレーションができている選手は、レース中に自分の位置を客観的に把握でき、冷静な判断が下せます。

私の現役時代、ライバルの存在に怯えていた時期がありました。
しかし、当時の監督から「隣の選手は変えられないが、自分のラップタイムはコントロールできる」と言われ、視点が変わりました。
自分のベストラップから逆算した「勝てるタイムテーブル」をノートに書き出し、それを何度も脳内で再生することで、緊張は「やるべきことへの集中」へと昇華されました。

  1. 目標タイムの分解
    ベストタイムを50mごとのスプリットに分け、それぞれの目標を明確にする。
  2. 当日のルーティン固定
    起床時間、食事内容、ウォーミングアップの開始時間をあらかじめ決めておく。
  3. ポジティブ・セルフトーク
    「疲れた」ではなく「身体が動きたがっている」と言葉を置き換える。
  4. レース後の即時フィードバック
    結果の良し悪しに関わらず、速報掲示板のスプリットをメモし、次回の練習に繋げる。
注意:他人のタイムと比較しすぎないこと。
水泳は究極の自己完結型スポーツです。自分の計画したラップを刻むことだけに全神経を集中させてください。結果はその後からついてくるものです。

水中の限界を超える「ドライランド(陸上)」トレーニングの真価

「水泳部は水の中にいればいい」という考えは、もはや過去のものです。
水の中では重力が分散されるため、特定の筋肉を意識的に強化したり、可動域を広げたりするには限界があります。

トップスイマーほど、陸上でのトレーニングに多くの時間を割き、水中で発揮できるパワーの最大値を底上げしています。
練習時間の最初の30分をドライランドに充てるだけで、泳ぎの安定感は見違えるほど変わります。

可動域がスピードを生む:柔軟性とモビリティ

水泳において、肩甲骨周りと股関節の可動域は、ストローク長とキックの強さに直結します。
どれほど筋力があっても、関節が硬ければ、その筋力を推進力に変換する過程でブレーキがかかってしまいます。

特に背泳ぎやバタフライでは、肩甲骨の柔軟性が低いと水面から腕を戻す際に余計な力が必要になります。
「柔らかい筋肉」は、バネのようにエネルギーを蓄え、爆発的な推進力を生み出す基盤となります。

ある強豪校では、練習前だけでなく練習後にも30分間の静的ストレッチを徹底しています。
導入前は肩の故障に悩む部員が絶えませんでしたが、徹底的なモビリティケアにより、故障者が激減し、部員全員の平均ストローク数が減少(=効率アップ)しました。

部位 期待できる効果 具体的な動作例
肩甲骨 キャッチの遠さ、リカバリーの軽さ アームサークル、タオルストレッチ
胸椎(胸の裏側) ストリームラインの維持、呼吸のしやすさ キャットアンドカウ、ソラシックツイスト
股関節 力強いキック、鋭いターン後の蹴り出し ダイナミックランジ、フロッグストレッチ
足首 水の押し出し、ダウンキックの効率 足の甲を伸ばすストレッチ、正座からの膝上げ

水中姿勢を安定させる体幹トレーニングの鉄則

水泳における体幹(コア)の役割は、身体を一直線の「棒」のように保つことにあります。
体幹が弱いと、キックの振動やストロークの反動で腰が左右に振れ、大きな抵抗を生んでしまいます。

「腹圧」をコントロールし、水流の中でもびくともしない軸を作ることが、後半の失速を防ぐ唯一の方法です。
ただし、陸上での腹筋運動(クランチなど)だけでは不十分です。不安定な水中を想定した、バランスを伴う体幹練習が必要です。

  • プランク(フロント・サイド):単に耐えるだけでなく、頭からかかとまで一直線であることを強く意識。
  • ダイアゴナル:四つん這いで対角の腕と足を伸ばし、背中の軸がぶれないようにキープ。
  • 中空ストリームライン:仰向けで床から数センチ足を浮かせ、ストリームラインの姿勢を1分間維持。
  • メディシンボール・スロー:瞬発的なパワーを体幹から腕へと伝える連動性の強化。
専門家の視点:インナーマッスルの重要性

アウターマッスル(見せる筋肉)を鍛えすぎると、水泳に必要なしなやかさが失われることがあります。
まずは腹横筋や多裂筋といった、身体の深部を支える筋肉を鍛えることで、水への乗り方が劇的に変わります。

チーム全体の士気を高め、結果を出すためのマネジメント術

水泳は個人競技としての側面が強いですが、部活動という枠組みにおいては「チームの力」が個人の限界を押し上げます。
誰かが頑張っているから自分も頑張れる。この相乗効果を生み出せるかどうかが、主将やマネージャーの腕の見せ所です。

最強のチームとは、全員が「同じ目標」を共有し、お互いの成長を心から喜べる集団です。
ここでは、科学的なメニュー作成と同じくらい重要な、心理的アプローチについて解説します。

モチベーションを維持する「声掛け」と環境作りの工夫

最も苦しいメインセットの最中、マネージャーの声一つでタイムが上がることは珍しくありません。
しかし、単に「頑張れ」と叫ぶだけでは、部員の心には響かなくなります。

具体的な事実に基づいたポジティブなフィードバックこそが、選手の脳を活性化させます。
「今のターンの浮き上がり、最高だったよ!」「ラスト10m、ピッチ落ちてないぞ!」といった、具体的な称賛を心がけましょう。

ある弱小校を県大会常連にまで引き上げた女性マネージャーは、部員一人ひとりの「調子のバロメーター」を把握していました。
彼女は、タイムが伸び悩んでいる部員には練習後にそっと「今日のドリル、形が綺麗になってたね」と声をかけました。
その一言で「見てくれている人がいる」と感じた部員は、再び前を向くことができたのです。これがチームの底力になります。

主将・マネージャーが意識すべき3つの声掛け
  • プロセスの承認:結果だけでなく、その日の練習に取り組む姿勢や小さな技術向上を褒める。
  • 目的の再確認:苦しい時にこそ「何のために今この練習をしているか」をリマインドする。
  • 未来への期待:今の頑張りが、1ヶ月後の大会でどう結実するかを具体的にイメージさせる。

練習日誌(Swim Log)を活用した自己分析の習慣化

「泳ぎっぱなし」は成長を止めます。その日の感覚やタイムを言語化して記録する習慣が、成功への再現性を高めます。
練習日誌は、過去の自分からのアドバイスが詰まった、世界に一冊だけの参考書になります。

日誌を書くことで、自分の好不調のサイクルや、タイムが出る時のパターンを客観的に把握できるようになります。
特に、大会でベストが出た時の前2週間の過ごし方は、一生の財産になります。

項目 記入内容のポイント 分析への活用方法
睡眠・体重・脈拍 起床時のコンディションを数値化 オーバートレーニングの早期発見
メインのタイム 全本数の平均とラストのタイム 持久力・根性の推移をグラフ化
感覚(感触) 「水が掴めた」「腰が浮いた」等 良いフォームを脳内で再現するトリガー
明日の課題 一つだけ具体的な修正ポイントを書く 練習の入り(集中力)を爆速にする
専門家の視点:日誌を通じたコミュニケーション

顧問や主将が日誌に一言コメントを返すことで、直接話す時間がなくても深い信頼関係が築けます。
「誰かに見られている」という意識は、サボり心を抑止し、適度な緊張感を生む良質なスパイスとなります。

最後に:水泳というスポーツを通じて手に入れるもの

水泳部の練習メニューを考えることは、単にタイムを競う準備ではありません。
それは、自分自身の身体と対話し、限界に挑戦し、仲間と高め合う「プロセス」そのものをデザインすることです。

本記事で紹介した理論とメニューを活用し、ぜひあなたのチームにとって最高のシーズンを作り上げてください。
プールサイドに響く声、水しぶきの音、そしてタッチした瞬間に電光掲示板に輝くベストタイム。
そのすべての瞬間が、あなたたちの努力が正しかったことを証明してくれるはずです。

この記事を読み終えたら、まずは明日のメインセットの一つに、今回紹介した「科学的根拠」に基づいたサークル設定を取り入れてみてください。
小さな変化が、大きな結果への第一歩となります。
連続不合格』をプロの個別指導で抜け出す

「なぜうちの子だけ受からないの?」そんなママ・パパの悩みを『水泳の家庭教師』が解決します。スイミングでは見落とされるお子様特有の「小さなクセ」を取り除き、お子様の笑顔と合格を最短で叶えます。

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