
【2026年最新】水泳パドルで泳ぎを劇的に変える!選び方・効果・練習メニューまで8000字で徹底解説

「もっと速く泳げるようになりたい」「効率的なフォームを身につけたい」と願うすべてのスイマーにとって、水泳パドルは最も強力な武器の一つになります。
しかし、その強力な負荷ゆえに、正しい知識を持たずに使用すると肩を痛めるリスクや、フォームを崩す原因にもなりかねません。
本記事では、数多くのスイマーを指導してきた経験と最新のスポーツ工学に基づき、水泳パドルの効果を最大化する活用術を8000文字を超える圧倒的ボリュームで徹底解説します。
この記事を読むことで、自分に最適なパドルの選び方が分かり、タイムを縮めるための具体的なトレーニング計画を立てられるようになります。雑誌を読むような感覚で、最高峰のSWELLデザインと共に学びを深めていきましょう。
水泳パドルがもたらす劇的な変化とトレーニング効果
水泳パドルを使用する最大の目的は、単に「負荷をかけること」だけではありません。
水の抵抗を掌全体で感じ、それを推進力へと変換するメカニズムを脳と体に叩き込むことに、パドル本来の価値が隠されています。
ここでは、パドルがスイマーの身体と技術にどのような劇的変化をもたらすのか、3つの側面から深掘りしていきます。
推進力を最大化する「キャッチ」の感覚を養う
水泳において最も重要かつ習得が難しいのが、水を捉える「キャッチ」の局面です。
素手では感じ取りにくい微細な水の流れも、パドルを装着することで「重い壁を押し出すような手応え」として明確に認識できるようになります。
この感覚こそが、トップスイマーが共通して持っている「水に引っ掛ける」感覚の正体です。
私が指導したあるマスターズスイマーの方は、長年「スカスカした掻き」に悩んでいました。どれだけピッチを上げても、水が指の間を抜けていくような感覚に陥っていたのです。
そこで、あえて指先だけで支える小型のパドルを導入し、手のひらではなく「指先の角度」で水を受ける感覚を徹底的に意識してもらいました。
数週間の練習後、彼は「水が重く感じられるようになり、一掻きで進む距離が目に見えて変わった」と驚きの声を上げました。
- まずは素手でスカーリングを行い、現在の水の感触を確認する。
- パドルを装着し、入水直後の「指先の第一関節」に水圧を感じるまでゆっくり掻く。
- パドルを外し、素手で「パドルの面積があるかのような錯覚」を利用して泳ぐ。
「キャッチで水に穴を開けないこと。パドルは、その穴を防ぐための矯正ギプスのような存在です。手のひらの面積を物理的に広げることで、脳に『正しい水の捉え方』を強制的に学習させることができます。」
(ナショナルチームコーチ 談)
広背筋と大胸筋を鍛え上げるパワー向上のメカニズム
水泳は全身運動ですが、推進力の核となるのは「広背筋」と「大胸筋」の連動です。
パドルを使用すると、通常の水泳では到達しにくい「高負荷状態」を意図的に作り出し、筋線維に強力な刺激を与えることが可能になります。
これは陸上トレーニングでいうところの「ウエイトトレーニング」に相当し、水中で直接的にパワーを強化できる唯一の方法といっても過言ではありません。
パドル練習を導入した直後は、多くのスイマーが「肩の周りよりも、背中がパンパンに張る」という経験をします。
これは、腕の力だけで強引に掻くのではなく、背中の大きな筋肉を使って水を後ろへ押し出している証拠であり、正しいフォームへの移行が始まっているサインです。
逆に、腕ばかりが疲れる場合は、パドルが大きすぎるか、フォームが乱れている可能性が高いので注意が必要です。
| 筋肉の部位 | パドル使用時の役割 | 得られるメリット |
|---|---|---|
| 広背筋 | 水を後方へ引き込む主働筋 | 後半の失速を防ぐスタミナとパワー |
| 大胸筋 | フィニッシュまでの押し込み | 爆発的な加速力の向上 |
| 上腕三頭筋 | 肘を伸ばし切る動作の補助 | ストローク後半のキレ |
専門家のアドバイス: 筋力アップを目的にする場合でも、いきなり最大サイズのパドルを使用するのは厳禁です。筋繊維が破壊されるスピードよりも、関節の摩耗が上回ってしまうリスクがあるからです。まずは「自分の手のひらより一回り大きい」程度から始めましょう。
ストローク効率を高めて「一掻き」の距離を伸ばす
水泳のタイムを縮める方程式は、「ストローク長(距離) × ストローク頻度(ピッチ)」で構成されます。
パドルは、このうちの「ストローク長」を最大化するために最も有効なツールです。
一掻きでより多くの水を捉え、より長く押し続けることができれば、無駄な動きを減らし、体力を温存しながら速く泳ぐことが可能になります。
あるインターハイ出場選手は、後半のバテが課題でした。パドルを使った練習を取り入れる際、彼に課したのは「あえてピッチを落とし、ストローク数を数える」というドリルでした。
25mを何回の手数で泳げるか、パドルの反発を最大限に利用してグライドを伸ばす意識を持たせたのです。
結果として、彼はレース本番でも焦って腕を回すことがなくなり、美しいロングストロークを維持したままベストタイムを大幅に更新しました。
- パドルを付けた際、入水後に「伸び」を感じる時間があるか。
- 掻き終わりのフィニッシュで、水が上向きに跳ね上がっていないか。
- 腕の回転数に頼らず、一掻きごとの推進距離を意識できているか。
- リカバリー(腕を戻す動作)で肩に余計な力が入っていないか。
このように、パドルは単なる重りではなく、自分の泳ぎを客観的に評価し、効率化するための精密なセンサーなのです。
次のセクションでは、この素晴らしい効果を享受するために、数あるパドルの中から「あなたに最適な一枚」を見つけ出す方法を解説します。
失敗しない水泳パドルの選び方:種類とサイズの決定版
水泳パドルの世界は奥深く、現在では数十種類以上の形状や素材が存在します。
「どれも同じだろう」と安易に選んでしまうと、自分の泳ぎのクセを悪化させたり、最悪の場合は肩の故障を招いたりすることもあります。
ここでは、あなたの目的と現在のレベルに合致した、究極のパドル選びの基準を提示します。
目的に合わせた4つの形状タイプを徹底比較
水泳パドルを選ぶ際、まず直面するのが「形状の違い」です。
以前は板状のシンプルなものが主流でしたが、現在は人間工学に基づいた立体的なモデルや、特定の技術を矯正するための特殊な形状が増えています。
それぞれの形状が持つ特性を理解し、自分の課題に最適なタイプを選ぶことが、上達への最短ルートとなります。
私がかつて指導したジュニア選手は、とにかく大きな「フラットパドル」を好んで使っていました。
しかし、彼の課題は「入水時の手の角度」が不安定なこと。大きなパドルは力任せに漕ぐことができてしまうため、本来の課題である繊細なキャッチが隠れてしまっていたのです。
そこで、あえてキャッチのミスがダイレクトに手に伝わる「エルゴパドル」に変更させたところ、数ヶ月でキャッチの精度が見違えるほど向上しました。
| パドルの種類 | 主な特徴 | おすすめの対象者 |
|---|---|---|
| フラットパドル | 平らな板状で最もスタンダードな形状。水の抵抗をダイレクトに感じる。 | 筋力強化を目的とする中上級者、パワーをつけたい方 |
| エルゴ(人間工学)パドル | 手のひらの形に沿った曲線。フィット感が高く、手の負担が少ない。 | 長時間練習する方、初めてパドルを購入する初心者 |
| フィンガーパドル | 指先だけを覆う小型タイプ。キャッチの感度を高めるのに特化。 | フォーム改善を最優先したい全レベルのスイマー |
| ボルテックス(孔あき)パドル | 面に穴が開いており、水の流れを適度に逃がす。自然な感覚。 | 肩への負担を抑えつつ、推進力を確認したい方 |
エディターズ・ノート: 迷った場合は「エルゴパドル」から始めるのが無難です。手のひらへのフィット感が良いため、パドルが手の中で遊んでしまうことがなく、集中してトレーニングに取り組めます。
自分の手の大きさとレベルに最適なサイズの測り方
形状の次に重要なのが「サイズ選び」です。これは靴選びと同じくらい慎重になる必要があります。
大きすぎるパドルは、一掻きで進む距離は伸びますが、肩関節への負担が指数関数的に増大します。
逆に小さすぎると、パドルのメリットである「水の抵抗」を十分に感じることができず、練習効果が半減してしまいます。
多くのスポーツショップでは試着が可能ですが、水の中と陸上では感覚が異なります。
特に、疲労が溜まってフォームが崩れた時に、そのパドルをコントロールし続けられるかどうかが判断基準になります。
初心者のうちは「少し物足りないかな?」と感じる程度のサイズから始め、確実にフォームを維持できることを確認してからサイズアップするのが賢明な選択です。
- まずは、自分の手のひらを紙に置き、指を軽く広げた状態で型を取る。
- パドルの実寸(縦・横)を確認し、中指の先から手首までの長さと比較する。
- 「自分の手よりも周囲が1cm〜1.5cm大きいもの」を基準として選ぶ。
- 筋力に自信がない場合は、手のひらとほぼ同サイズの「フォーム矯正用」を選ぶ。
「大は小を兼ねる」という考え方は、水泳パドルにおいては非常に危険です。水は空気の約800倍の密度を持っています。わずか数センチの差が、数キログラムの負荷の差となって肩に襲いかかります。
(スポーツ理学療法士 談)
素材とストラップの有無が泳ぎに与える影響
最近のトレンドとして注目したいのが、パドルの「素材感」と「ストラップ(ゴム)の仕様」です。
かつては硬いプラスチック製が主流でしたが、現在はシリコン素材を組み合わせた柔軟性のあるモデルも登場しています。
また、あえてストラップを最低限にする、あるいは全くなくすことで、正しい手の角度で水を捉え続けないと外れてしまうという「強制型パドル」も人気を博しています。
私自身、ストラップを中指一本だけにするスタイルを推奨することがあります。
こうすることで、手のひらが水に対して斜めに入ったり、途中で水を逃がしたりした瞬間にパドルがグラつき、自分のミスを即座に感知できるからです。
道具を「頼るもの」から「教えてくれるもの」へと進化させることで、コーチがいなくても自律的に上達できる環境が整います。
- 手首側のストラップは、きつく締めすぎない(血流を妨げない)。
- 中指のストラップは、パドルがずれない程度のフィット感に留める。
- 上級者は、あえて手首側のストラップを外して「キャッチの安定性」をテストする。
- ゴムが劣化してひび割れていないか、定期的にチェックする。
パドルを120%活用する実践トレーニングドリル
パドルを手に入れたら、いよいよプールでの実践です。しかし、ただ装着してダラダラ泳ぐだけでは宝の持ち腐れです。
パドルの特性を活かし、特定の技術要素を切り出して練習する「ドリル練習」を取り入れることで、上達のスピードは飛躍的に高まります。
ここでは、私が指導現場で実際に導入し、多くのスイマーが成果を出した厳選ドリルを紹介します。
フォーム改善に特化した「フィンガーパドル」の使い方
手のひら全体を覆わないフィンガーパドルは、実は最も汎用性が高く、奥が深いツールです。
これを装着して泳ぐと、指先の第一関節周辺に集中して水圧がかかるため、ハイエルボー(肘を高く保つフォーム)の習得に絶大な効果を発揮します。
指先で水を感じ、肘を支点にして大きな面で水を後ろへ送る感覚は、このパドルなしではなかなか体得できません。
あるインターハイ選手は、どうしてもリカバリーから入水にかけて「指先が下がってしまう」癖がありました。
そこで、フィンガーパドルをあえて「手のひらの上部」ではなく「指の付け根」あたりに装着させ、水面の抵抗を敏感に感じさせる練習を行いました。
この繊細なドリルを繰り返すことで、彼は入水後すぐに水に引っ掛ける感覚を掴み、後半のストロークの伸びが劇的に改善されました。
- 25m × 4本: フィンガーパドルを装着。指先の水圧だけを感じながら、ゆっくりとスカーリング。
- 50m × 4本: パドルを付けたまま、キャッチの瞬間だけを意識したスロー泳。
- 50m × 2本: パドルを外し、その指先の感覚を再現しながらコンビネーション(普通の泳ぎ)。
筋力と心肺機能を同時に追い込む「ハイパワーインターバル」
パドルの負荷を利用して、短時間で爆発的なパワーを引き出すメニューです。
この練習の目的は、レースの勝負所で見せる「ギアチェンジ」の能力を養うことにあります。
大きなパドルで大量の水を力強く押し出す動作は、心肺機能にも強烈な負荷をかけるため、スタミナ強化にも繋がります。
ただし、この練習は諸刃の剣です。疲労が溜まるとフォームが崩れ、無理やり腕を回そうとすることで肩を痛めるリスクが高まります。
「フォームが維持できなくなったら即中止する」というルールを自分に課すことが、長続きする秘訣です。
私が指導するチームでは、このメニューを週に一度だけ、最もコンディションが良い日に行うように徹底しています。
| 項目 | 内容 | 意識するポイント |
|---|---|---|
| 距離・本数 | 50m × 8本 | 常に一定のタイムを維持する。 |
| サイクル | 1分15秒〜1分30秒 | 十分な休息を取り、各本を全力に近い出力で。 |
| 使用ツール | メインパドル + プルブイ | 下半身の動きを制限し、上半身のパワーを絞り出す。 |
怪我を防ぐための注意点とメンテナンス
水泳パドルは素晴らしいトレーニングツールですが、その強力な負荷は時に「諸刃の剣」となります。
特に肩関節は、人体の中でも非常に自由度が高い反面、構造的に不安定でデリケートな部位です。
ここでは、パドル練習を安全に、そして長期間継続するために絶対に欠かせない安全策と管理術について解説します。
肩関節を痛めないためのウォーミングアップと注意点
パドルを装着して泳ぎ出す前に、肩周りの筋肉と関節を「十分に温め、動かせる状態」にしておくことは義務だと考えてください。
冷えた状態でいきなりパドルを使うと、抵抗に負けた関節が不自然な動きをし、腱板(インナーマッスル)を損傷するリスクが飛躍的に高まります。
私が指導するチームでは、パドル練習の前には必ず、陸上での動的ストレッチと、水中でのパドルなしのスカーリングをセットで行わせています。
ある40代のマスターズスイマーは、仕事帰りにプールへ直行し、いきなりパドルインターバルを開始する習慣がありました。
当初は調子が良いと感じていたそうですが、数ヶ月後、夜も眠れないほどの肩の痛みに襲われ、半年間の休養を余儀なくされました。
この悲劇は、わずか5分間の正しい準備運動さえあれば防げたはずのもの。パドルを付けることは、筋肉に「重い負荷がかかるぞ」という宣告であることを忘れないでください。
- 陸上ストレッチ: 肩甲骨を大きく回し、胸の筋肉(大胸筋)を十分に伸ばす。
- 水中ウォーミングアップ: パドルを付けずに400m〜500mほど、ゆっくりと心拍数を上げながら泳ぐ。
- スカーリング: 手のひら全体で水を感じる感覚を呼び覚まし、神経を活性化させる。
- 段階的負荷: 最初の25mはパドルを付けつつ、50%程度の力で水の重さを確認する。
「パドルで肩を痛める原因の多くは、技術不足ではなく準備不足です。特に入水直後に肘が落ちる『ドロップエルボー』の状態でパドルを引くと、肩の前方に致命的な負担がかかります。」
(整形外科医・スポーツドクター 談)
身体の「声」を聞く:練習を中断すべき痛みと違和感の境界線
練習中に「少し肩が重いな」と感じたとき、それを成長の痛み(筋肉痛)と捉えて続行するか、危険信号と捉えて中止するか。この判断がスイマーとしての寿命を左右します。
パドル練習において、「鋭い痛み」や「関節の中が熱くなるような感覚」があれば、即座にパドルを外すべきです。
無理をしてもフォームが崩れるだけで、悪いクセが脳にインプットされるという最悪の結果を招きます。
特に注意が必要なのは、ストロークの「プル」から「プッシュ」に移行する局面での違和感です。
ここで肩の付け根に引っ掛かるような感覚がある場合、関節内でのインピンジメント(衝突)が起きている可能性があります。
私の経験上、一度パドルを外して「フィン(足ひれ)」を使い、上半身の負担を軽減させながら泳ぐことで、フォームを崩さずに練習を継続できるケースも多いです。
- ストロークのたびに肩関節から「パキッ」と音が鳴る。
- パドルを引く瞬間に、二の腕の付け根に走るような痛みがある。
- 練習後に着替える際、腕を上げるのが困難なほど疲労している。
- 翌朝になっても、肩周辺に熱感や重だるさが残っている。
道具を愛するスイマーが実践する正しいメンテナンス術
高品質なパドルは決して安い買い物ではありません。そして、適切な手入れを怠ると、その性能は驚くほど早く劣化してしまいます。
特に塩素の影響は甚大で、放置するとプラスチック部分は硬化して割れやすくなり、ストラップのゴムは弾力性を失って突然切れてしまいます。
練習中のストラップ切れは、思わぬ怪我や、パドルの紛失(プールの底に沈んで踏んでしまう等)に繋がるため、日常的なケアが重要です。
トップ選手たちのパドルは、何年も使っているはずなのにいつも新品のような輝きと柔軟性を保っていることがよくあります。
彼らに共通しているのは、「練習後に必ず真水で丁寧に洗う」という極めてシンプルな習慣です。
単にシャワーで流すだけでなく、ストラップの隙間に入り込んだ塩素をしっかりと洗い流すことが、製品寿命を2倍にも3倍にも伸ばします。
| メンテナンス項目 | 頻度 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 真水洗浄 | 毎回 | プールから上がった直後、水道水で塩素を完全に洗い流す。 |
| 日陰干し | 毎回 | 直射日光はプラスチックを劣化させるため、必ず風通しの良い日陰で乾かす。 |
| ストラップ点検 | 週に1回 | ゴムに細かいひび割れがないか、引き伸ばして入念に確認する。 |
| ゴムの交換 | 半年に1回 | 異常がなくても、弾力が弱まったと感じたら市販の替えゴムに交換する。 |
ワンポイント・アドバイス: 予備のストラップゴムを常にバッグに忍ばせておきましょう。合宿中や大会前の大事な時期にゴムが切れても、焦らずにその場で修理して練習を再開できます。これはアスリートとしての基本的な準備(リスク管理)の一つです。
【2026年最新版】目的別・レベル別おすすめ水泳パドル 徹底比較
ここまでの解説で、パドルの効果と使い方はマスターできたはずです。最後に、数ある現行モデルの中から「今、選ぶべき最高の一枚」を厳選してご紹介します。
2026年現在、素材の進化と人間工学に基づいた設計により、かつてないほど多様な選択肢が揃っています。
ご自身の泳ぎのレベルと、解決したい課題に合わせて選んでみてください。
基礎を固めたい初心者へ贈る「操作性抜群」のモデル
初めてパドルを手にする方、あるいはジュニア選手には、「手のひらとの一体感」が最も重要です。
手に馴染まないパドルは、無意識のうちにそれを握ろうとする変な力が入り、フォームを乱す原因になります。
おすすめは、手のひらの自然なカーブに完璧にフィットする「アナトミカル(解剖学的)」な設計のモデルです。
私がお勧めすることが多いのは、Speedo(スピード)の「バイオフューズ」シリーズや、arena(アリーナ)の定番エルゴモデルです。
これらは適度な柔軟性があるため、入水時の衝撃を和らげ、初心者が陥りがちな「水の跳ね返り」を抑えてくれます。
「道具を使っている」という感覚よりも、「自分の手が少し大きくなった」という錯覚を覚えるほどの自然な使用感が魅力です。
- エッジの処理: 万が一隣のコースの選手と接触しても怪我をさせない、丸みのある形状。
- 通気穴(ホール): 水の感触を完全に消さないよう、適度な穴が開いているもの。
- 調整のしやすさ: 指の太さに合わせてストラップが簡単に調整できる機構。
さらなる高みを目指す中級者・競技者のための「パワーアップ」モデル
フォームが安定し、本格的な筋力強化を目指すフェーズに入ったスイマーには、面の面積が大きく、水の抵抗を逃がさない設計のパドルが必要です。
ここで重要なのは、単に「大きい」だけでなく、「水流をコントロールする機能」があるかどうかです。
最新の競技モデルには、水の流れを整えるための「フィン(溝)」や、ストロークを安定させるための「スタビライザー」が搭載されています。
多くのトップアスリートが愛用しているFINIS(フィニス)のパドルや、Strokemakers(ストロークメーカー)は、長年愛されている信頼の証です。
特にストロークメーカーは、豊富なサイズ展開(全7色)があり、自分の筋力レベルに合わせて1段階ずつステップアップできるのが最大の特徴です。
私が指導した選手も、緑(中サイズ)から赤(大サイズ)へ移行したタイミングで、50mのストローク数が2回減り、タイムが1秒縮まったという劇的な変化を経験しました。
- サイズ感: 自分の手よりも指一本分、外側に縁がある程度の大きさ。
- 剛性: 強く引いてもパドルがしならず、水の重さを100%筋肉に伝える硬さ。
- 安定性: 高速ピッチで腕を回しても、パドルが左右にブレない流体力学的設計。
フォームを極めたい技術派に向けた「フィンガー&ストラップレス」
最後に紹介するのは、近年のトレンドである「技術追求型」の特殊パドルです。
これらは負荷をかけることよりも、スイマーのわずかなエラーを浮き彫りにすることに特化しています。
特におすすめなのが、FINISの「アジリティパドル」のようなストラップレスタイプです。
このパドルは、親指をかける穴しか開いておらず、ゴムで固定しません。
そのため、キャッチからフィニッシュまでの全工程で、常に水圧をパドルの中心にかけ続けなければ、パドルが手から外れてしまいます。
「パドルに泳ぎを教えてもらう」という感覚を最も体現できるツールであり、自己流の癖を矯正したいスイマーにとって、これ以上のコーチはいないでしょう。
「ストラップレスパドルを完璧に使いこなせるようになったとき、あなたのストロークには一切の無駄がなくなっています。それは筋肉で泳ぐのではなく、水の流れと調和して泳ぐ技術を習得したことを意味します。」
(元オリンピック代表選手 談)
水泳パドル活用に関するよくある質問(FAQ)
水泳パドルの導入にあたって、多くのスイマーが抱く疑問や不安をまとめました。
正しい知識を持って取り組むことが、遠回りのようで一番の近道です。
ここでは、現場のコーチによく寄せられる代表的な5つの質問に回答していきます。
Q1:パドルを使うと、逆にフォームが崩れると聞いたのですが?
A:その通りです。大きすぎるパドルを力任せに引くと、肩が内側に入ったり肘が落ちたりする原因になります。まずは「パドルを付けても素手と同じフォームを維持できる」負荷から始めるのが鉄則です。
Q2:パドル練習の頻度はどのくらいが理想ですか?
A:週に2〜3回の練習であれば、そのうちの20%〜30%程度の距離をパドル練習に充てるのが適当です。毎日、長時間使い続けると関節疲労が蓄積しやすいため、メリハリをつけた練習計画を立てましょう。
Q3:子供がパドルを使っても大丈夫ですか?
A:骨格が成長途中の小学生以下の場合は、慎重になる必要があります。筋力強化ではなく「水の感覚を掴む」目的で、手のひらより小さいフィンガーパドルを短時間使う程度に留めるのが、将来の怪我防止に繋がります。
Q4:プルブイとの併用は必須ですか?
A:必須ではありませんが、併用を推奨します。プルブイを挟むことで下半身が安定し、上半身の動作、特にパドルの重さに集中できる環境が整うからです。フォームが安定してきたら、プルブイなしで全身の連動を意識しましょう。
Q5:パドルが手から外れやすいのですが、付け方が悪いのでしょうか?
A:付け方よりも「キャッチ時の手の角度」が原因であることが多いです。水に対して手のひらが斜めに入ると、パドルに横方向の力がかかってズレやすくなります。外れやすいのは、フォームの乱れをパドルが教えてくれている証拠です。
まとめ:パドルを味方につけて、自己ベストを塗り替えよう
本記事では、水泳パドルの圧倒的な効果から選び方、具体的な練習ドリルまで、8000文字を超えるボリュームで徹底解説してきました。
水泳パドルは単なる道具ではなく、あなたの泳ぎに「気づき」を与え、眠っている潜在能力を引き出してくれる最高のパートナーです。
最後に、今回学んだ重要なポイントを振り返ってみましょう。
| 項目 | 最重要ポイント |
|---|---|
| 効果 | キャッチ感覚の鋭敏化、広背筋の強化、ストローク長の延伸。 |
| 選び方 | 手のひら+1cmを基準に、目的に応じた形状(エルゴ、フィンガー等)を選択。 |
| 練習 | ドリルで技術を磨き、インターバルでパワーを養う2段構え。 |
| 安全 | 事前の入念なストレッチと、違和感を感じた時の勇気ある中断。 |
- まずは自分の課題(パワー不足か、技術不足か)を明確にする。
- 自分のレベルに合ったサイズのパドルを1枚選ぶ。
- 練習メニューの冒頭に「感覚を確認するドリル」を必ず組み込む。
- パドルを外した後の「素手での泳ぎ」の変化を丁寧に観察する。
水泳の上達に魔法の杖はありませんが、正しい道具の使い方は、魔法に近い変化をもたらしてくれます。
今日からパドルをバッグに忍ばせ、プールへ向かう足取りを少しだけ軽くしてみませんか?
あなたが水の中で「水と一体になる」感覚を掴み、電光掲示板に輝く自己ベストを叩き出す日を、心から応援しています。
「道具は使い手を選びますが、正しく向き合う者には必ず応えてくれます。パドルを通して水と会話すること。それが、スイマーとして一段上の景色を見るための唯一の秘訣です。」
本記事が、あなたの素晴らしい水泳ライフの一助となれば幸いです。
