
平泳ぎ太郎
■主な経歴
- 200m平泳ぎインターハイ優勝
- 全国大会メダル10個
- 全国大会決勝進出18回
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平泳ぎは4泳法の中で最も技術的に難しい泳法と言われています。クロールや背泳ぎと違い、キックとプルのタイミング、ストリームラインの維持、効率的な推進力の生み出し方など、習得すべき要素が多岐にわたるためです。
しかし、適切なドリル練習を取り入れることで、平泳ぎは確実に上達します。
ドリル練習とは、泳ぎを部分的に分解し、特定の技術要素に集中して練習する方法です。全体を泳ぐだけでは気づきにくい細かな動作の改善や、筋肉の使い方の習得に非常に効果的です。
この記事では、平泳ぎが上達する12種類のドリル練習を、キック・プル・タイミング別に詳しく解説します。さらに、レベル別の選び方、効果を最大化するコツ、よくある間違いと改善方法まで網羅的にご紹介します。
初心者の方から上級者まで、すぐに実践できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
平泳ぎドリルとは?練習する意味と効果
ドリル練習が平泳ぎ上達に欠かせない理由
ドリル練習は、複雑な動作を「分解」して練習することで、正しいフォームを身体に覚え込ませる手法です。
平泳ぎは以下のような要素が同時進行するため、全体を泳ぐだけでは改善ポイントが見えにくい特徴があります:
- キック:足首の返し、膝の開き、蹴り幅のコントロール
- プル:水のキャッチ、肘の使い方、手の軌道
- タイミング:キックとプルの連動、呼吸のタイミング
- ストリームライン:伸びの姿勢、水の抵抗を減らす姿勢維持
ドリル練習によって、これらを一つずつ意識的に改善できるため、技術の精度が飛躍的に向上します。
ドリルで改善できる3つのポイント
1. キックの推進力
平泳ぎのキックは、推進力の約70%を担うと言われています。足首の返し方、膝の開き具合、水を押す方向を正しく習得することで、一蹴りで進む距離が大きく変わります。
2. プルの効率
腕の動きを効率化することで、無駄な力を使わずに前に進めるようになります。特に水のキャッチ感覚を養うことが重要です。
3. タイミングの調整
キックとプルのタイミングがずれると、推進力が相殺されてしまいます。ドリルでタイミングを体で覚えることで、リズミカルで効率的な泳ぎが可能になります。
【レベル別】平泳ぎドリルの選び方
初心者向けドリル(基本動作の習得)
目標:正しい基本動作を身につける
平泳ぎを始めたばかりの方は、まず基本的な手足の動きを正確に習得することが最優先です。
おすすめドリル:
- 壁キック
- ビート板キック
- プルブイプル
焦らず、一つ一つの動作を丁寧に確認しながら練習しましょう。
中級者向けドリル(技術の洗練)
目標:動作の精度を高め、効率を上げる
基本動作ができている方は、より細かな技術要素の改善に取り組みます。
おすすめドリル:
- 背面キック
- 2キック1ストローク
- スカーリング
- 3回プル+1回完泳
左右のバランス、水のキャッチ感覚、タイミングの精度を磨いていきます。
上級者向けドリル(スピード・効率の向上)
目標:レース対応力、さらなる効率化
競技志向の方や、より高いレベルを目指す方向けです。
おすすめドリル:
- サイドキック
- 片手プル
- ノーブリーステンポ泳
- 3ストローク1呼吸
微細な動作の調整、スピードとリズムの最適化を追求します。
平泳ぎキックのドリル5選
平泳ぎの推進力の大部分を担うキック。ここでは、キックの技術を磨く5つのドリルを紹介します。
①壁キック(基本の足首・膝の動き習得)
目的:足首の返し、膝の動きの基本を覚える
やり方:
- プールサイドの壁に両手でつかまる
- 体を水面に浮かせ、顔は水中に入れる
- ゆっくりと平泳ぎのキック動作を繰り返す
- 足首の返し、膝の開き、蹴り出す方向を確認
意識すべきポイント:
- 足首をしっかり返す(足の裏で水を押す感覚)
- 膝は肩幅程度に開く(開きすぎない)
- 蹴った後は両足をしっかり閉じる
よくある間違い:
- 膝が開きすぎている → 抵抗が増え、推進力が落ちる
- 足首が伸びたまま → 水を押せず、推進力が出ない
練習の目安:10回×3セット
②ビート板キック(推進力の確認)
目的:キックだけでどれだけ進めるか確認・強化
やり方:
- ビート板を両手で持ち、腕を伸ばす
- 顔は水中、息継ぎは必要に応じて
- 平泳ぎキックだけで進む
- 1キックでどれだけ進むか意識する
意識すべきポイント:
- 蹴った後の「伸び」を意識(ストリームライン)
- 強く蹴りすぎず、効率よく水を押す
- 膝を引きつける時は抵抗を減らすため、足を体の真後ろに
よくある間違い:
- キックの頻度が多すぎる → 伸びる時間が短く、効率が悪い
- 上半身が沈む → ビート板の持ち方、姿勢を確認
練習の目安:25m×4本(各本でキック回数を数える)
③背面キック(膝の開きすぎ防止)
目的:膝が開きすぎるクセを矯正
やり方:
- 仰向けに浮く
- 両手は体の横、または頭の上でストリームライン
- 平泳ぎキックを行う(膝が水面から出ないように)
- 膝が見えたら開きすぎのサイン
意識すべきポイント:
- 膝を水面より下に保つ
- 足首の返しを意識
- キック後の伸びを感じる
よくある間違い:
- 膝が水面から飛び出る → 膝の開きすぎ、要修正
練習の目安:25m×2本
④サイドキック(左右バランスの改善)
目的:キックの左右差を確認し、バランスを整える
やり方:
- 体を横向きにして泳ぐ(右側を下、左側を上など)
- 下側の腕を伸ばし、上側の腕は体側に
- 平泳ぎキックで進む
- 左右両方行う
意識すべきポイント:
- 左右で推進力に差がないか確認
- 体が回転しないようバランスを保つ
よくある間違い:
- 片方のキックが弱い → 左右均等に意識
練習の目安:25m×2本(左右各1本)
⑤2キック1ストローク(タイミング強化)
目的:キックとプルの連動、タイミング習得
やり方:
- キックを2回行う
- その後、プルと呼吸を1回
- これを繰り返す
意識すべきポイント:
- キックのタイミングでプルが始まらないよう注意
- 伸びの時間を意識
よくある間違い:
- キックとプルが同時になる → タイミングがずれている
練習の目安:25m×4本
平泳ぎプル(腕の動き)のドリル4選
効率的なプルは、水のキャッチ感覚と正しい手の軌道がカギです。
①プルブイプル(腕の動きに集中)
目的:プルの動作だけに集中し、腕の使い方を習得
やり方:
- プルブイ(浮力補助具)を太ももに挟む
- 足は使わず、腕の動きだけで進む
- 水のキャッチ、肘の曲げ方、手の軌道を意識
意識すべきポイント:
- 手のひらで水を「つかむ」感覚
- 肘は高く保ち、手は体の下を通らない
- プル後は素早く腕を前に伸ばす(リカバリー)
よくある間違い:
- 腕を深くまで引きすぎる → 抵抗が増える
- 肘が下がる → 推進力が落ちる
練習の目安:25m×4本
②3回プル+1回完泳(プルの意識向上)
目的:プルの動作を意識しながら、全体の泳ぎに統合
やり方:
- プルブイを使い、3回プルだけで進む
- 4回目は普通に完泳(キックも含めて)
- これを繰り返す
意識すべきポイント:
- プルの質を保ちながら完泳に移行
- プルの感覚を完泳に活かす
練習の目安:25m×4本
③スカーリング(水のキャッチ感覚習得)
目的:手のひらで水を感じる能力を高める
やり方:
- ビート板を持ち、または持たずに前に腕を伸ばす
- 手のひらを外側・内側に動かし、8の字を描くように水を押す
- 手首と前腕で水圧を感じながら進む
意識すべきポイント:
- 手のひらの角度を微調整して、最も水を捉えられる感覚を探る
- 肘は動かさず、前腕と手首だけで動かす
よくある間違い:
- 腕全体を動かしてしまう → 肘は固定
練習の目安:25m×2本
④片手プル(左右のバランス確認)
目的:左右の腕の動きの差を確認し、修正
やり方:
- プルブイを使用
- 片方の腕だけでプルを行い、もう片方は前に伸ばしたまま
- 左右交互に行う
意識すべきポイント:
- 左右で推進力に差がないか確認
- 弱い方の腕を重点的に練習
練習の目安:25m×4本(左右各2本)
タイミング・コンビネーションのドリル3選
キックとプルのタイミング、呼吸のタイミングは、平泳ぎの効率を大きく左右します。
①2キック1プル(キックとプルの連動)
目的:キックとプルのタイミングを体で覚える
やり方:
- キックを2回連続で行う
- その後、プルと呼吸を1回
- キック→キック→プル+呼吸のリズムを繰り返す
意識すべきポイント:
- プルのタイミングでキックをしない
- 伸びの時間(ストリームライン)を確保
よくある間違い:
- キックとプルが重なる → タイミングを意識
練習の目安:25m×4本
②ノーブリーステンポ泳(ストリームライン意識)
目的:呼吸なしで泳ぐことで、ストリームラインを最大化
やり方:
- 息継ぎをせず、顔を水中に入れたまま泳ぐ
- 3〜5ストローク程度
- 伸びの姿勢を強く意識
意識すべきポイント:
- 頭を上げないことで、体が水平に保たれる
- 伸びの時間を長く取る
よくある間違い:
- ストローク数が多すぎる → 苦しくなる前に終える
練習の目安:12.5m×4本(短距離集中)
③3ストローク1呼吸(呼吸タイミング改善)
目的:呼吸のタイミングを調整し、効率を上げる
やり方:
- 3ストローク泳ぎ、4ストローク目で呼吸
- 呼吸のタイミングを遅らせることで、伸びの時間を増やす
意識すべきポイント:
- 呼吸を我慢することで、1ストロークごとの質を高める
- 苦しくなりすぎない範囲で
練習の目安:25m×4本
ドリル練習の効果を最大化する5つのコツ
①目的を意識して練習する
ドリル練習は「何のために」行うのかを明確にすることが重要です。
- 「このドリルはキックの推進力を高めるため」
- 「このドリルは水のキャッチ感覚を養うため」
目的を意識することで、練習の質が飛躍的に向上します。
②動画撮影でフォームチェック
自分の泳ぎを客観的に見ることは、上達の最短ルートです。
スマートフォンの防水ケースや、プールサイドから撮影してもらうなどして、定期的にフォームをチェックしましょう。
チェックポイント:
- 膝の開き具合
- 足首の返し
- プルの軌道
- ストリームラインの姿勢
③1回の練習で1〜2種類に絞る
一度に多くのドリルをやろうとすると、集中力が分散します。
1回の練習では、1〜2種類のドリルに絞り、その動作を徹底的に身につけることを優先しましょう。
④ウォーミングアップ後に実施
ドリル練習は、体が温まっている状態で行うのが効果的です。
軽く泳いだ後(200〜400m程度)にドリルを取り入れることで、筋肉が動きやすく、正確な動作が身につきやすくなります。
⑤定期的にフォーム確認
週に1回程度、コーチや経験者にフォームを見てもらう、あるいは動画で確認することで、間違った動作が定着するのを防げます。
平泳ぎドリルでよくある間違いと改善方法
キックが弱い・推進力が出ない場合
原因:
- 足首が伸びたままで水を押せていない
- 膝が開きすぎている
- 蹴り方向が間違っている(下に蹴っている)
改善方法:
- 壁キックで足首の返しを徹底練習
- 背面キックで膝の開きを確認
- 蹴る方向は「後ろ」を意識
プルのタイミングが早すぎる場合
原因:
- キックと同時にプルしてしまっている
- 伸びの時間が短い
改善方法:
- 2キック1プルドリルでタイミングを修正
- 「伸びる→キック→プル」の順番を体に覚え込ませる
上半身が沈んでしまう場合
原因:
- プルで腕を引きすぎている
- 頭が上がりすぎている(呼吸時)
- ストリームライン姿勢が崩れている
改善方法:
- プルブイプルで腕の軌道を修正(胸の前で止める)
- ノーブリーステンポ泳で姿勢を確認
- 呼吸時は顎を引く意識
息継ぎで前に進まない場合
原因:
- 顔を上げすぎて、体が立ってしまう
- プルのタイミングで呼吸していない
改善方法:
- 呼吸は顎を引いて最小限に
- プルのタイミングで自然に顔が上がるようにする
- スカーリングで水のキャッチを強化し、自然な浮力を得る
ドリル練習の頻度と組み合わせ方
週何回練習すべきか
初心者:週2〜3回
基本動作の習得には、継続的な反復が必要です。
中級者:週3〜4回
技術の洗練には、適度な頻度での練習が効果的。
上級者:週4〜6回
競技志向の場合、高頻度でドリルと実泳を組み合わせます。
1回の練習での時間配分
練習例(60分の場合):
- ウォーミングアップ:10分(300〜400m)
- ドリル練習:20分(各ドリル25m×4本など)
- メイン練習:20分(タイム計測、実戦形式)
- クールダウン:10分(ゆっくり泳ぐ)
効果的な練習メニュー例
初級者向けメニュー
目標:基本動作の習得
- ウォーミングアップ:クロール・背泳ぎ 200m
- 壁キック:10回×3セット
- ビート板キック:25m×4本
- プルブイプル:25m×4本
- 完泳:25m×4本(ゆっくり、フォーム意識)
- クールダウン:100m
合計:約800m
中級者向けメニュー
目標:技術の洗練、タイミング習得
- ウォーミングアップ:400m(各泳法100mずつ)
- 背面キック:25m×2本
- 2キック1ストローク:25m×4本
- スカーリング:25m×2本
- 3回プル+1回完泳:25m×4本
- 完泳:50m×4本(フォーム+スピード意識)
- クールダウン:200m
合計:約1,400m
上級者向けメニュー
目標:スピード、効率の最適化
- ウォーミングアップ:600m
- サイドキック:25m×4本(左右各2本)
- 片手プル:25m×4本(左右各2本)
- ノーブリーステンポ泳:12.5m×8本(ハイテンポ)
- 3ストローク1呼吸:25m×4本
- タイムトライアル:50m×4本(全力、レスト30秒)
- クールダウン:300m
合計:約2,000m
平泳ぎドリルに役立つ練習用具
ビート板・プルブイの使い方
ビート板:
キックの練習に最適。両手で持ち、腕を伸ばして使用します。キックの推進力だけを確認できるため、初心者から上級者まで必須アイテムです。
プルブイ:
太ももに挟んで浮力を得る道具。プルだけの練習に集中できます。下半身が沈みやすい方にもおすすめ。
フィンやパドルは使うべき?
フィン(足ひれ):
平泳ぎの場合、専用の「ポジティブドライブフィン」がおすすめです。通常のフィンは平泳ぎキックには不向きなため、注意が必要。
キックの動作を大きくし、筋力強化に効果的ですが、基本動作が身についてから使用しましょう。
パドル(手ひれ):
プルの強化に有効ですが、肩への負担が大きいため、中級者以上で、正しいフォームが身についている方向けです。
スノーケルを使ったドリル練習
センタースノーケル:
顔を上げずに呼吸ができるため、ストリームライン姿勢を保ったまま練習できます。
呼吸による姿勢の崩れを防ぎ、フォームの精度を高めるのに非常に効果的です。
まとめ:平泳ぎドリルで確実に上達するために
平泳ぎは、正しいドリル練習を継続することで、必ず上達する泳法です。
この記事のポイント:
✅ 平泳ぎドリルは12種類
- キックのドリル5種
- プルのドリル4種
- タイミング・コンビネーションのドリル3種
✅ レベル別に選ぶ
- 初心者:基本動作の習得(壁キック、ビート板キック、プルブイプル)
- 中級者:技術の洗練(背面キック、スカーリング、2キック1ストローク)
- 上級者:効率とスピード(サイドキック、片手プル、ノーブリーステンポ泳)
✅ 効果を高める5つのコツ
- 目的を意識
- 動画でフォームチェック
- 1回の練習で1〜2種類に絞る
- ウォーミングアップ後に実施
- 定期的にフォーム確認
✅ よくある間違いを改善
- キックの推進力不足 → 足首の返し、膝の開きを確認
- プルのタイミングミス → 2キック1プルで修正
- 上半身の沈み → プルの引きすぎ、呼吸の仕方を見直し
✅ 継続的な練習が鍵
週2〜4回の練習を継続し、動画でのフォーム確認を定期的に行うことで、着実に上達します。
次のステップ:
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