平泳ぎ太郎
■主な経歴
- 200m平泳ぎインターハイ優勝
- 全国大会メダル10個
- 全国大会決勝進出18回
- 「YouTubeやwebサイトで平泳ぎを速く泳ぐコツについて発信されているけど、どれも初心者~中級者向けで知っていることばかり」
- 「コーチは平泳ぎが苦手だからレベルの高い速く泳ぐコツを教えてくれない」
- 「平泳ぎが得意な人が周りにいないから速く泳ぐコツを知りたい」
平泳ぎは他の3種目とは異なる点が多いので、苦手な人が多いです。
オリンピック選手でも専門種目でなければ平泳ぎだけは中学生の全国大会に出られないレベルの選手もいます。
そのため、平泳ぎを泳ぐコツを教える人が、たとえコーチや実績のある人でも平泳ぎの実績があるかどうかが重要です。
この記事では、
200m平泳ぎ元インターハイ優勝者の平泳ぎ太郎が以下の平泳ぎを速く泳ぐコツ9選を解説します。
この記事を読むと、以下の3つのことを得られます。
- 次の練習から平泳ぎを速く泳ぐコツを試せて、質の高い練習ができる
- コーチよりも平泳ぎのことを知れて、より高いレベルで練習ができる
- 平泳ぎでインターハイ優勝したテクニックを盗める
\平泳ぎ初心者の人必見/
ひじを立てて水をかく
平泳ぎを速く泳ぐコツ1つ目は「ひじを立てて水をかく」です。
この章の内容を以下の表にまとめています。
ひじを立てられている | ひじを立てられていない | |
---|---|---|
キャッチのひじの動き | 動かない | 動いている |
使う筋肉 | 大きな筋肉 | 小さな筋肉 |
水をかく強弱 | 強い | 弱い |
ひじの向き | 真上 | 外側 |
練習方法 | 肩甲骨ストレッチ |
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
ひじを立てるとは|キャッチのときにひじが動かない
ひじを立てるとは、キャッチのときにひじが動かないということです。
キャッチとは、水を手でかく一番最初の瞬間のことです。
このキャッチのときに、
- ひじが動かない=ひじを立てられて“いる”
- ひじが動いてしまう=ひじを立てられて“いない”
といえます。
水をかくときに「ひじを立てる」というコツは、平泳ぎに限らず、水泳全体に言えるコツです。
そのため、このコツをマスターすることで、水泳自体が速くなるので、ぜひマスターしましょう。
ひじを立てるメリット|強く水をかける
ひじを立てて水をかくと、強く水をかくことができます。
なぜなら、ひじを立てて水をかく(=キャッチのときにひじが動かない)と、腕の付け根や背中などの大きな筋肉を使って、水をかくことができるからです。
大きな筋肉を使うことができれば、その分強く水をかくことができます。
反対に、ひじを立てずに水をかく(=キャッチのときにひじが動く)と、ひじより先の小さな筋肉でキャッチすることになり、弱い力でしか水をかくことができません。
ひじを立てられない原因|ひじを真上に向けられていないから
ひじを立てられない人は、ひじを真上に向けられていないのが原因です。
ひじを真上に向けられないと以下のようなメカニズムで、ひじを立てられません。
- ①ひじを真上に向けられないということは、ひじは外側を向いている
- ②ひじが外側に向いている状態でキャッチしようとすると、手は体の内側を通る
- ③平泳ぎは体の外側の水をかくから、ひじを後方に下げる必要がある
- 結論:キャッチのときに、ひじが動いているということは、ひじを立てられていない
ひじを真上に向けられると以下のようなメカニズムで、ひじを立てられます。
- ①ひじを真上に向けられるている
- ②ひじを動かさずに、手は体の外側を通ってキャッチができている
- 結論:キャッチのときに、ひじが動いていないということは、ひじを立てられている
よって、「ひじを立てられない原因は、ひじを真上に向けられないから」ということになります。
ひじを真上に向けられるようになるには|肩甲骨の可動域を広げる
ひじを真上に向けられるようになるには、肩甲骨の可動域を広げる必要があります。
ひじを真上に向けるときに動いてる場所は肩甲骨です。
ひじを真上に向けているときに、肩甲骨が動いて、肩が上がっています。
普段、肩甲骨を動かすことはしないので、肩甲骨の可動域を広げることは、とても難しいです。
肩甲骨の可動域を広げる家でできる練習|肩甲骨ストレッチ
ひじを真上に向けられるようになるには、肩甲骨のストレッチを行うことが効果的です。
肩甲骨のストレッチは、前田まいにちセルフケアさんが紹介しているストレッチ方法がおすすめです。
このストレッチ以外にも、平泳ぎ太郎が中学生のころにやっていて、このおかげでインターハイを優勝することができたというストレッチを紹介します。
このときに、肩を少し手前に引くようにすると、肩甲骨を羽のように出しやすいです。
このストレッチは、やり始めた頃はまったく肩甲骨を羽のように出すことはできません。
しかし、肩甲骨の可動域が広がり始めたころに、肩甲骨を羽のように出せるようになります。
肩甲骨の可動域を広げるために、上記で掲載してあるストレッチをおこなって、肩甲骨を羽のように出せるようになりましょう。
肩甲骨を羽のように出せるようになれば、肩甲骨を自由自在に動かせるようになった証拠!
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手で水をかくときは広背筋を使う
平泳ぎを速く泳ぐコツ2つ目は「手で水をかくときは広背筋を使う」です。
この章の内容を以下の表にまとめています。
広背筋 | 三角筋 | |
---|---|---|
場所 | 背中の下部から脇の下 | 肩周り |
筋肉の大きさ | 大きい | 小さい |
レース後半の影響 | 疲れにくい | 疲れにやすい |
出せる力の大小 | 大きい | 小さい |
水をかける量 | 多い | 少ない |
練習方法 | 肩甲骨ストレッチ | |
鍛え方 | バックスクイーズ |
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
広背筋とは|背中の大きな筋肉
広背筋は、背中の下部から脇の下にかけて広がる大きな筋肉です。
- 高い場所にある荷物を降ろすときの動作
- 物を自分側に腕で引き寄せる動作
- 懸垂(けんすい)など腕で体を持ち上げる動作
広背筋は平泳ぎでいつ使うか|手を広げたとき
広背筋は、平泳ぎでは主に手を広げたときに使う筋肉です。
ほとんどの人は平泳ぎで手を広げるときに、三角筋を使って手を広げています。
なぜなら、三角筋の方が日常的に使う筋肉なので、動かしやすいからです。
手で水をかくときに広背筋を使うメリット|レース後半で疲れにくい
手で水をかくときに広背筋を使うと、レース後半で疲れにくくなります。
手で水をかくときに、広背筋を使う場合と三角筋を使う場合の比較表は以下の通りです。
広背筋と三角筋の比較表
広背筋 | 三角筋 | |
---|---|---|
レース後半の影響 | ※筋肉が大きいから | 疲れにくい※筋肉が小さいから | 疲れにやすい
出せる力の大小 | ※筋肉が大きいから | 大きい※筋肉が小さいから | 小さい
水をかける量 | ※大きく手を広げやすいから | 多い※大きく手を広げにくいから | 少ない
手で水をかくときに広背筋を使えるようになるには|肩甲骨の可動域を広げる
手で水をかくときに広背筋を使えるようになるには、肩甲骨の可動域を広げる必要があります。
手で水をかくときに広背筋を使うためには、キャッチのときにひじを立てなければ(ひじを真上に向けなければ)いけません。
つまり、前述の「ひじを真上に向けられるようになるには|肩甲骨の可動域を広げる」と同じ内容なので、練習方法も「肩甲骨の可動域を広げる家でできる練習|肩甲骨ストレッチ」と一緒です。
広背筋の家でできる鍛え方|バックスクイーズ
このトレーニングは「前田のまいにちセルフケア」さんの動画を参考にしています。
この鍛え方以外にも家でできる鍛え方を紹介しているので、ぜひご覧ください。
上半身は常に起こしたままにしましょう。
ひじを引くときに目線を前に向けるように意識しましょう。
ひじで円を描くように動かしてリズム良く動かしましょう。
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ひざをお腹に近づけずに足を引きつける
平泳ぎを速く泳ぐコツ3つ目は「ひざをお腹に近づけずに足を引きつける」です。
この章の内容を以下の表にまとめています。
ひざをお腹に近づけて”いない” | ひざをお腹に近づけて”いる” | |
---|---|---|
上半身と太ももの角度 | 90度以上(理想120度) | 90度未満 |
正面視点からの体を囲む円 | 小さい | 大きい |
ブレーキ | 小さい | 大きい |
コツ | かかとをお尻と同じ高さ |
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
ひざをお腹に近づけて”いない”目安|上半身と太ももが90度以上の関係
ひざをお腹に近づけて”いない”目安は、足を引きつけたときに、上半身と太ももが90度以上の関係になることです。
理想は上半身と太ももが120度の関係になっていることです。
反対に、ひざをお腹に近づけて”いる”目安は、足を引きつけたときに、上半身と太ももが90度未満の関係になることです。
ひざをお腹に近づけないメリット|ブレーキを最小限にできる
足を引きつけたときに、ひざをお腹に近づけないと、ブレーキを最小限にできます。
平泳ぎはブレーキとアクセルを繰り返す泳ぎ方です。
泳ぎの中でブレーキがかかっているかは、平泳ぎを正面からみたときに体を囲む円の大きさで判断できます。
ひざをお腹に近づけていない(上半身と太ももが90度以上)ときは、体を囲む円が小さいです。
ひざをお腹に近づけている(上半身と太ももが90度未満)ときは、体を囲む円が大きいです。
円が小さければ小さいほど、正面からの水の抵抗が小さく、ブレーキも小さいことを指します。
よって、足を引きつけたときに、ひざをお腹に近づけないと、ブレーキを最小限にできます。
ひざをお腹に近づけないようにするにコツ|かかとをお尻の高さと同じにする
足を引きつけたときに、ひざをお腹に近づけないようにするには、かかとをお尻の高さと同じにすると良いです。
ひざをお腹に近づけないように、ひざを意識するだけでも問題ありません。
しかし、ひざを意識して足を引きつけると、足が動かしにくい感覚になります。
その時は、かかとに意識をもち、かかとがお尻の高さと同じになるように足を引きつけると、自然とひざをお腹に近づかない動きになります。
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キックするときは内転筋を使う
平泳ぎを速く泳ぐコツ4つ目は「キックするときは内転筋を使う」です。
この章の内容を以下の表にまとめています。
内転筋 | 下腿三頭筋 | |
---|---|---|
場所 | 太ももの内側 | ふくらはぎ |
筋肉を使うための両ひざの幅 | 肩幅くらい | 肩幅より狭い |
キックの力 | 大きい | 小さい |
レース後半の疲れ | 疲れにくい | 疲れやすい |
家でできる鍛え方 | アダクション |
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
内転筋とは|太ももの内側の筋肉
内転筋(ないてんきん)は、太ももの内側にある筋肉です。
以下の5つの筋肉から構成されています。
- 大内転筋(だいないてんきん)
- 長内転筋(ちょうないてんきん)
- 短内転筋(たんないてんきん)
- 恥骨筋(ちこつきん)
- 薄筋(はっきん)
- 歩くときに脚をまっすぐに保ち、バランスをとる動作
- 座った状態から立ち上がるとき、両脚を閉じた状態で安定させる動作
- 座ったときに脚を閉じておくことで、体幹の安定や姿勢保持する動作
キックのときのよくある間違い|ひざより下の筋肉を主に使ってしまう
キックのよくある間違いで、ひざより下の筋肉を主に使ってしまうことがあります。
50m平泳ぎで40秒以上かかる中級者になると、キックのときにひざより下の筋肉、例えば下腿三頭筋と呼ばれるふくらはぎの筋肉を主に使ってしまうことが多いです。
キックのときに、ひざから下の筋肉(下腿三頭筋)を使うこと自体は間違いではありません。
ひざから下の筋肉を使ってしまう理由は、中級者は両ひざの幅が狭くなるからです。
中級者は両ひざの幅が狭くなるメカニズムは以下の通りです。
- ①初心者の頃は、あおり足にならないように、両ひざの幅を広くする
-
あおりについては、以下の記事で詳しく解説しています。
- ②両ひざの幅が広すぎると、泳ぐスピードが遅いため、両ひざの幅を狭くする
-
両ひざの幅が狭くなると、素早くキックができるので、キックの力が強くなり、泳ぐスピードが速くなります。
- ③両ひざの幅を狭くするたびに泳ぐスピードが速くなるから、もっと狭くする
- 結論:両ひざの幅が狭くなる
ひざから下の筋肉は、とても小さいため、疲れやすく、大きな力を出しにくいというデメリットがあります。
キックするときに内転筋を使うメリット|強く水をキックできる
キックするときに内転筋を使うメリットは、強く水をキックできることです。
他にも、レース後半で疲れにくいというメリットもあります。
なぜなら、内転筋は大きな筋肉だからです。
内転筋を使うことで、その周辺にある内転筋よりも大きな筋肉である大腿四頭筋(太ももの前側)も使うことができるので、より強く水をキックしたり、よりレース後半で疲れにくくなります。
内転筋を使えるようになるコツ|両ひざの幅を広げる
キックするときに内転筋を使えるようになるコツは、両ひざの幅を広げることです。
「キックのときのよくある間違い|ひざより下の筋肉を主に使ってしまう」で解説した通り、ひざ下の筋肉を使ってキックしてしまう理由は、両ひざの幅が狭いからです。
そのため、両ひざの幅を広くすれば、内転筋を使いやすくなります。
基準として、肩幅と同じ幅で両ひざを開いて、そこから少しずつ広くしていって、内転筋など太もも周りの筋肉に力が入りやすい幅を自分でさがしていきましょう。
内転筋の家でできる鍛え方|アダクション
このトレーニングは「前田のまいにちセルフケア」さんの動画を参考にしています。
この鍛え方以外にも家でできる鍛え方を紹介しているので、ぜひご覧ください。
くるぶしの内側を持ち上げるようにすると効率的です。
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息継ぎの時間を短くする
平泳ぎを速く泳ぐコツ5つ目は「息継ぎの時間を短くする」です。
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
息継ぎの時間を短くするメリット|ブレーキの時間を短くできる
息継ぎの時間を短くするメリットは、ブレーキの時間を短くできることです。
息継ぎの時間は常にブレーキがかかっている状態です。
泳ぎの中でブレーキがかかっているかは、平泳ぎを正面からみたときに体を囲む円の大きさで判断できます。
息継ぎのときは、正面からみたときに体を囲む円の大きさが大きいです。
そのため息継ぎの時間は常にブレーキがかかっている状態といえます。
よって、息継ぎの時間を短くすることで、ブレーキの時間を短くできます。
息継ぎの時間を短くできない原因|脇を締めたときに手の動きが止まりやすいから
息継ぎの時間を短くできない原因は、脇を締めたときに手の動きが止まりやすいからです。
実は、息継ぎと同じタイミングで行う、脇を締めたときが一番手の動きが止まりやすいです。
平泳ぎ初心者は息継ぎのタイミングが異なります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
なぜなら、脇を締める前後で手の動きの方向転換をする必要があるからです。
脇を締めたときに手の動きが止まりやすいメカニズムは以下の通りです。
- ①キャッチをするために手を自分の体に向かって動かす
- ②脇を締める
- ③手を前に伸ばすために、手を自分の体とは反対方向に向かって動かす
- 結論:脇を締める前後で手の動きの方向転換が必要だから、動きが止まりやすい
息継ぎの時間を短くするコツ|脇を締めたときの反動を上手く使う
息継ぎの時間を短くするコツは、脇を締めたときの反動を上手く使うことです。
脇を締めたときの反動とは、脇を締める力を手を伸ばす力に変えてあげることです。
脇を締めたときの反動を上手く使うことで、手の動きの方向転換がスムーズにおこなうことができ、息継ぎの時間を短くすることができます。
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足を引きつけるタイミングを早くする
平泳ぎを速く泳ぐコツ6つ目は「足を引きつけるタイミングを早くする」です。
この章の内容を以下の表にまとめています。
上級者 | 初心者 | |
---|---|---|
足を引きつけるタイミング | 手が前に伸び終わる”前” | 手が前に伸び終わった”後” |
キックの瞬間 | 上半身が水中に入る”前” | 上半身が水中に入る”後” |
上半身水中に入る時の反動 | 使える | 使えない |
キックの力 | 強い | 弱い |
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
初心者の足を引きつけるタイミング|手が前に伸び終わった後
初心者の足を引きつけるタイミングは、手が前に伸び終わった後です。
なぜなら、初心者のうちは手と足は別々で動かさないと、同時に動かしてしまい、体が沈んでしまうからです。
そのため、平泳ぎ初心者には、「手が前に伸び終わった後に足を引きつけましょう」と指導をします。
上級者の足を引きつけるタイミング|手が前に伸び終わる前
上級者の足を引きつけるタイミングは、手が前に伸び終わる前です。
なぜなら、手が前に伸び終わる直前で足を引きつけて、その直後にキックをした方が速く泳ぐことができるからです。
そのため、上級者は、手が前に伸び終わる前に足を引きつけます。
タイミングを早くすると速く泳げる理由|キックの力が強くなるから
足を引きつけるタイミングを早くすると、速く泳げるようになる理由は、キックの力が強くなるからです。
足を引きつけるタイミングの違いでキックの力への影響を下記の表にまとめます。
足を引きつけるタイミングの違いでキックの力への影響
手が前に伸び終わる前(上級者) | 手が前に伸び終わった後(初心者) | |
---|---|---|
キックの瞬間 | 上半身が水中に入る”前” | 上半身が水中に入る”後” |
上半身が水中に入る時の反動 | 使える | 使えない |
キックの力 | 強い | 弱い |
つまり、上半身が水中に入る時の反動を上手くつかってキックをすると、キックの力が強くなるということです。
よって、足を引きつけるタイミングを早くすると、キックの力が強くなります。
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お腹に重心を置く
平泳ぎを速く泳ぐコツ7つ目は「お腹に重心を置く」です。
この章の内容を以下の表にまとめています。
上級者 | 初心者 | |
---|---|---|
重心の位置 | お腹 | お尻 |
下半身と上半身の関係性 | 上半身が”下” | 上半身が”上” |
キックの力が伝わる向き | 進行方向 | 斜め上 |
息継ぎのときの目線 | 低い | 高い |
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
初心者の重心の位置|お尻
初心者の人の重心は、お尻にあります。
お尻に重心があると、以下のような泳ぎ方になります。
お尻に重心があると、手を前に伸ばしたときに、下半身よりも上半身の方が上の位置にあるので、キックの力が斜め上に伝わってしまいます。
そのため、キックの力を効率的に進む力に変えることができません。
上級者の重心の位置|お腹
上級者の人の重心は、お腹にあります。
お腹に重心があると、以下のような泳ぎ方になります。
お腹に重心があると、手を前に伸ばしたときに、下半身よりも上半身の方が下の位置にあるので、キックの力が進行方向に伝わりやすくなります。
キックの力が下に伝わりそうですが、下に伝わる力は腹筋や手の力で抑えることができるので、結果として、キックの力が進行方向に伝わりやすいです。
重心をお腹に置くと速く泳げる理由|キックの力が進行方向に伝わるから
前章で解説した通り、お腹に重心があると、キックの力が進行方向に伝わりやすいので、速く泳ぐことができます。
なぜなら、キックの力が進行方向以外の方向に伝わることは、キックの力の無駄遣いになるからです。
重心をお腹に置くコツ|目線を下げる
重心をお腹に置くコツは、目線を下げることです。
目線が高いと、重心がお尻に動きやすいです。
目線が低いと、自然とあごが引けて、重い頭が進行方向に動き、重心がお腹に近づきます。
目線の目安は自分の頭が入る場所(約50cm先)です。
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ストリームライン姿勢をマスターする
平泳ぎを速く泳ぐコツ8つ目は「ストリームライン姿勢をマスターする」です。
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
ストリームライン姿勢とは|一番水の抵抗が少ない姿勢
ストリームライン姿勢とは、水泳の中で一番水の抵抗が少ない姿勢のことです。
水泳はこの姿勢のまま進めば一番速く泳ぐことができます。
しかし、平泳ぎ以外は、常に手と足が動いているので、ストリームライン姿勢になる瞬間がありません。
平泳ぎは唯一、ストリームライン姿勢になる瞬間がある泳ぎ方なので、ストリームライン姿勢をマスターすることがとても重要です。
ストリームライン姿勢をマスターするメリット|キックの推進力を最大化できる
ストリームライン姿勢をマスターすると、キックの推進力を最大化できます。
平泳ぎでストリームライン姿勢をマスターすると、キックの推進力が最大化できるメカニズムは以下の通りです。
ストリームライン姿勢ができていないと、常にブレーキを踏みながらアクセルを踏むような泳ぎになるから、とても非効率になってしまいます。
だから、ストリームライン姿勢をマスターしようね!
ストリームライン姿勢をマスターする方法|体幹トレーニング
ストリームライン姿勢をマスターするためには、体幹トレーニングが必須です。
体幹とは、腹筋や背筋などお腹と背中周辺全ての筋肉のことを指します。
体幹は、平泳ぎに限らず、泳いでいる間の姿勢の維持やコントロールに使う場所です。
ストリームライン姿勢も体幹で姿勢の維持やコントロールをするので、体幹トレーニングはストリームライン姿勢をマスターするためには必須です。
体幹トレーニングは以下のトレーニングがオススメだよ!
このトレーニングは「前田のまいにちセルフケア」さんの動画を参考にしています。
この鍛え方以外にも家でできる鍛え方を紹介しているので、ぜひご覧ください。
\平泳ぎ初心者の人必見/
ひとかきひとけりをマスターする
平泳ぎを速く泳ぐコツ9つ目は「ひとかきひとけりをマスターする」です。
この章の詳細は以下の項目に分けて解説します。
ひとかきひとけりとは|スタート/ターン直後にできる水中動作
ひとかきひとけりとは、スタートとターンの直後にできる水中動作のことです。
ひとかきひとけりの動作は、「1回水をかく(この時だけ足のところまでかくことができる)+1回水を蹴る+1回水を蹴る前にドルフィンキックを蹴る」という動作です。
ルール上は、ひとかきひとけりをやらなくても失格ではありません。
ひとかきひとけりをマスターする理由|泳ぐよりも速いから
ひとかきひとけりをマスターする理由は、ひとかきひとけりは泳ぐよりも速いからです。
なぜなら、ひとかきひとけりは造波抵抗の影響を受けないからです。
水泳で減速の原因になる抵抗は以下の4つです。
- 物体が進む断面積で受ける「抗力」
- 水と皮膚(水着)の摩擦で生じる「流水抵抗」
- 水面で波を造るときに発生してしまう「造波抵抗」
- 物体の後方に渦巻きのように出来る水圧の低い部分「渦巻き抵抗」
水中では、「造波抵抗」がゼロになるため、減速が起きにくくなります。
そのため、ひとかきひとけりは泳ぐよりも速くなります。
スタート後は99%の人がひとかきひとけりを行いますが、レース後半では息が苦しいという理由でひとかきひとけりをしない人がいます。
しかし、ひとかきひとけりをしないと、平泳ぎを速く泳ぐことはできません。
レース後半で苦しくても、ひとかくひとけりができるように、息を止める練習をしよう!
ひとかきひとけりをマスターするメリット|手っ取り早く速く泳げるようになる
ひとかきひとけりをマスターすると、手っ取り早く速く泳げるようになります。
例えば、200m平泳ぎを短水路で泳いだ場合、ひとかきひとけりを行う距離は82.5m(41%)もあります。
12.5m(スタート時)+10m×7回(ターン時)=82.5m
つまり、ひとかきひとけりをマスターすることで、レースの41.5%分が速くなるということです。
ひとかきひとけりは、毎回同じ動作のため、マスターすれば手っ取り早く速く泳げるようになると言えます。
長水路では効果は小さくなるね!それでも、ひとかきひとけりだけで、10%以上の効果があるよ!
ひとかきひとけりをマスターする方法|コンパクトにおこなう
ひとかきひとけりをマスターする方法は、コンパクトにおこなうことです。
「ひざをお腹に近づけないメリット|ブレーキを最小限にできる」でも解説しましたが、泳ぎの中でブレーキがかかっているかは、正面からみたときに体を囲む円の大きさで判断できます。
コンパクトにおこなうということは、この円を小さくする(水の抵抗を小さくする)という意味です。
ひとかきひとけりにおいて、円が大きくなりやすいタイミングは以下の2点です。
- 手をかいた瞬間に足が上がるタイミング
- 手を戻すときに手が体の外側を通るタイミング
このタイミングで、よりコンパクトにおこなうことで、ひとかきひとけりをマスターすることができます。
水の抵抗が大きいとブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるのと同じだよ!
\平泳ぎ初心者の人必見/
まとめ|平泳ぎを速く泳ぐコツ9選をマスターしよう
平泳ぎを速く泳げるようになるには、以下のコツ9個をマスターしましょう。
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